こんにちは。
“暮らしと香り”編集部のみどりです。
アロマを使う時、単体で使っていますか?それともブレンドして使っていますか?
「自分でブレンドするのって難しそう・・・」と思っている方も多いですが、ポイントさえつかんでおけば、実は簡単にできるんです。
今回はブレンドのコツを紹介するので、ブレンドに挑戦したことの無い方は是非チェックしてみてください。
ブレンドができるようになれば、さらにアロマライフを楽しむことが出来ますよ~!
1.アロマブレンドすると何が良いの?
精油には様々な成分から構成されていて、それがリラックスやリフレッシュなど気持ちの切り替えを手伝ってくれています。
単体で使う場合でも十分に楽しめますが、数種類の精油をブレンドすることにより相乗効果が得られ、より気分にピッタリ寄り添った香りを作ることができます。
また、数種類の香りをブレンドすることで、香りに奥行きや深みを生み出すことができますし、単体での香りとはまた違う雰囲気にすることだって可能です。
単体だとあまり得意ではない香りでも、他の精油とブレンドすることで不思議と心地よい香りに感じたり。
「いつも使っていて香りに飽きたな~」「ちょっとこれ苦手なんだよな・・・」という精油があれば、ブレンドすることでまた違う一面を見つけることも出来ますよ!
2.アロマブレンドする時の3つのキーポイント
基本的には、「これとこれは組み合わせてはダメ」というルールは無いので、堅苦しく考えずに自分の好きなようにブレンドすればOKです。
・・・ですが、自由にしてOKと言われても、初めてブレンドに挑戦する方は難しいですよね。
ブレンドする際に「ここを押さえておけば!」というキーポイントを3つご紹介しますので、参考にしてみてください。
ポイント① ノートを知る
ノートとは香りが伝わる速さを表していて、「トップノート」「ミドルノート」「ベースノート」の3つに分けられます。
香りがすぐに伝わりやすいのがトップノート、少し時間を置いて伝わってくるのがミドルノート、ゆっくり時間をかけて伝わるのがベースノート。
これら3種のノートをそれぞれ取り入れると、バランスの良いブレンドになります。
トップノート | オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ベルガモット、マンダリン、ペパーミント、ティーツリーなど |
トップ~ミドルノート | ローズマリー、ユーカリ、メリッサ、ジンジャー、コリアンダーなど |
ミドルノート | フランキンセンス、ラベンダー、カモミール、ローズ、マージョラム、ゼラニウム、ネロリ、プチグレイン、サイプレス、パルマローザ、クラリセージ、レモングラスなど |
ベースノート | サンダルウッド、シダーウッド、パチュリ―、ベチバー、ジャスミン、イランイラン、ミルラなど |
トップノートにはシトラス系の爽やかな香りが多く、ミドルノートにはフローラル系やハーブ系、ベースノートにはウッディ系の深みのある香りが多いですね。
大体でも良いので覚えておくと、「爽やかにシトラス系のブレンドでまとめたいけど、トップノートばかりだと香りが軽すぎるからミドルノートを少し加えようかな?」など意識できるようになり、バランスの良い上級者なブレンドを自分で作りやすくなります。
また、軽めの爽やかな香りが好きな方はトップノートを多めにしたり、深みのある香りが好きな方はミドル~ベースノート中心にまとめれば、自分の好みに合ったブレンドに一層近づけますよ。
ポイント② 香りの強弱を知る
精油は、同じ1滴でも種類によって香りの強さが全く異なります。
例えば、爽やかなブレンドを作りたいとペパーミントとレモンのブレンドしようとした場合、ペパーミントは香りが強く1滴だけでもすごく主張しますが、レモンは1滴だと香りの存在感があまりありません。
このような香りの強さが違う種類の精油をブレンドする場合、滴数を同じにしてしまうと、レモンの香りがペパーミントに消されてしまい、せっかく入れたレモンのフレッシュさを感じることが出来ません。
そのため、ブレンドする際にはそれぞれの香りの強さを加味して滴数のバランスを取る必要があります。
香りの強いものは滴数を少なく、弱いものは多めにしてあげるとバランスが良くなりますよ。
香りの強さを表にまとめているので、ブレンドを作る際、滴数の割合を考える参考にしてください。
特に強い | ペパーミント、ローズ、ジャスミン、レモングラス、メリッサ |
強い | カモミール・ローマン、カモミール・ジャーマン、ベチバー、ミルラ、イランイラン、ネロリ |
中間 | ジュニパーベリー、マージョラム、ティーツリー、パチュリ、ゼラニウム、フランキンセンス、ブラックペッパー、ユーカリ、ローズマリー、クラリセージ、グレープフルーツ、オレンジ、レモン |
弱い | ラベンダー、ベルガモット、サンダルウッド、サイプレス、 |
「特に強い」に入っている香りは、1滴でも存在感抜群。入れすぎると香りが強すぎて他の精油の香りが消えてしまうこともあるので、ブレンドする際には注意してくださいね。
香りが強い、かつベースノートの香り(ジャスミンやミルラ、イランイランなどが当てはまりますね)に関しても、長く主張する香りとなるため、最初は「少ないかな?」と感じる程度にとどめたほうが失敗しづらいですよ。
ポイント③ 香りのグループと相性を知る
精油は抽出部位によってグループに分けられます。
同じグループの香りは雰囲気が似ている香りなので、同じグループのもの同士をブレンドすれば香りがまとまりやすく相性が良いですし、他のグループの香りをブレンドすれば奥行きや繊細さといった少し上級者な香りを表現することができます。
それぞれのグループに属する精油と、相性が良いグループを紹介します!
精油のグループ
シトラス | レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ベルガモット、マンダリン、ライムなど |
フローラル | ローズ、ラベンダー、ネロリ、ゼラニウム、ジャスミン、イランイラン、カモミールなど |
ハーブ | クラリセージ、ペパーミント、マージョラム、メリッサ、ローズマリー、レモングラス、パチュリー、パルマローザなど |
ウッディー | サンダルウッド、ユーカリ、ティーツリー、パイン、ジュニパーベリー、サイプレス、シダーウッドなど |
樹脂 | フランキンセンス、ミルラ、ベンゾインなど |
スパイス | ジンジャー、ブラックペッパー、コリアンダー、フェンネルなど |
相性の良いグループ
シトラス | 全てのグループと相性が良い |
フローラル | シトラス、樹脂 |
ハーブ | シトラス、ウッディー、スパイス |
ウッディー | シトラス、ハーブ、スパイス、樹脂 |
樹脂 | シトラス、フローラル、ウッディー |
スパイス | シトラス、ハーブ、ウッディー |
シトラスは比較的どんな香りとも相性が良いうえ、「シトラス系の香りが好き!」という方も多い香りなので、ブレンドする際にはかなり使えます。
ただ、上記の一覧表はあくまで目安です。
フローラルグループはシトラスと樹脂が相性◎ですが、ローズはスパイスグループのブラックペッパーとは相性が良かったりもします。
なので、あくまで目安として活用してみてください!
3.実際にアロマブレンドをしてみよう!
それでは3つのキーポイントを頭に入れたうえで、私が実際にブレンドしてみます~!
メインの香りを選ぶ
まずはメインとなる精油を選びます。
いつも愛用している好きな香りでも良いですし、「リラックスしたい」「お部屋の空気を爽やかにしたい」など、その時の気分に合わせて選ぶのも良いですね。
「今日はこれを使いたい!」と一番ピンと来た香りで選んでみてください。
私は夜にアロマを使うことが多いので、「リラックスできる落ち着く香り」をテーマにブレンドしていきます!
夜寝る前やリラックスしたいな~という時には自然とラベンダーを選ぶことが多いので、今回は優しい香りのラベンダーをメインにブレンドします。
メインにブレンドする香りを選ぶ
次にメイン(ここではラベンダー)とブレンドする精油を選びます。
ブレンドのテーマ「リラックス」と、ラベンダーと相性の良い精油、香りのノートを考慮しつつ選んでいきます。
ラベンダーは、フローラルグループでミドルノートなのでポイントは2つ。
①シトラス系と樹脂系との相性が良い。
②ミドルノートなので、トップノートやベースノートの香りをプラスすると、バランスが取れたブレンドに。
以上2点を踏まえつつ、他にブレンドする精油をピックアップしていきます!
まずは、香りに爽やかさを出したいのでシトラス系の精油をプラスします。
今回は夜にリラックスできるブレンドにしたいので、快眠に良いオレンジか、気持ちを落ち着かせてくれるベルガモットか・・・。
今日の気分だと少し落ち着いた雰囲気の香りに仕上げたいので、ベルガモットに!
この2種類だけでもとっても良い香りのブレンドになりそうですが、もう少し落ち着きのある香りもプラスしたらさらに良さそうかも・・・。
ラベンダーはフローラル系、ベルガモットはシトラス系のグループ。両方と相性が良く、さらに香りに深みを出せそうな樹脂系から1つ選んでみます。
今回はフランキンセンスを入れてみましょう!
ラベンダー(ミドルノート)、ベルガモット(トップノート)、フランキンセンス(ミドルノート)の3種類のブレンドに決定!
ベースノートがありませんが・・・、自分で楽しむ香りなのでOKということで。
(同じ樹脂グループのミルラはベースノートなので、フランキンセンスの代わりにミルラを選べばより深く落ち着きある香り仕上がりますね)
選んだ香りの相性を確認
それでは選んだ3種類の香りの相性を確認していきましょう!
いきなりブレンドすると「あれ?なんか思っていたのと違う」となってしまうことも多いので、一度ムエットに付けて相性チェックしていきます。
1滴ずつムエットの先端に垂らし、トップノートのムエットが鼻に近くなるように、ベースノートのムエットが一番遠くなるように並べて持って、香りを確かめます。
今回の場合はベルガモットが一番鼻の近くに来るようにして、ラベンダー、フランキンセンスと並べて持ちます。
落ち着けそうな優しい香り・・・。この3つで良さそうです!
ムエットがあればきちんと香りを確認することが出来ますが、「ムエットなんて持ってない!」という方も多いですよね。
その場合は、アロマのキャップを外したものを手に持って確かめてもOK。
手に持って、小さい円を描くようにフワッと揺らしながら嗅ぐとブレンドした時の雰囲気がより分かりやすくなります。
滴数を調整
相性が大丈夫そうなら、いよいよ滴数を調整していきます。滴数を考える時に大事なのが「香りの強さ」。
「2-3」で紹介している表を参考にしていきます。
滴数を考える時は、最初に「全部で何滴か」を決めて、最後に微調整できるよう余白を作っておくと良いですよ。
例えば10滴のブレンドを作りたい場合、最初は合計7~8滴になるように考えて、残りの2~3滴で最後の調整をかけれるようにしていきましょう。
今回はディフーザーに使う合計6滴のブレンドになるように考えます。
ラベンダーとベルガモットは香りが弱く、フランキンセンスの強さは普通くらい・・・。
ラベンダーとベルガモットを多めにした方がバランスが良くなりそうですね。
ラベンダー2滴、ベルガモット2滴、フランキンセンス1滴をディフーザーに入れ実際に香りを確かめて、残りの1滴を何にするか考えていきます!
・・・今日はもう少しラベンダーの香りをしっかり出したいと感じたので、ラベンダーを最後1滴加えることに。
ラベンダー3滴、ベルガモット2滴、フランキンセンス1滴のブレンドが出来上がりました~!
ブレンドの滴数を変えると香りもガラリと変わるのも、ブレンドの面白いところ。
その日の気分に合わせて滴数も変えて、今の気分にピッタリ!な香りを楽しんでくださいね。
4.<おまけ>ブレンドの参考になるもの
3つのキーポイントを意識すればバランスの良い香りを作りやすいですが、他にもブレンドを作る時に是非参考にしてみてほしいものがあります。
それは・・・実際に売られているブレンドを少し真似してみること!
市販のブレンドオイルは相性が良いようにしっかり考えられているので、失敗することが少ないですよ!
例えばこちらのブレンド。
★こころ晴れやかアロマ ブレンドオイル 5ml
ライム、ペパーミント、ローズマリー、パイン、スペアミント、シダーウッド、レモングラスの7種類がブレンドされています。
真似しようとしても、これら全種の精油はなかなか持っていないですよね。
この中から2~3種類でも手持ちにあれば、それらをブレンドするだけでも十分良い香りが作れます!
ライムとローズマリーは持っているから、この2つをブレンドしてみよう!他に手持ちの精油で相性が良さそうなものは無いかな?・・・と、市販のブレンドを参考にオリジナルブレンドを作っていくことも出来るので、ブレンドの幅が広がりますね。
お店で良い香りのものに出会ったら、一体何がブレンドされているのかチェックしてみてください!
おわりに
いかがでしたか?
何年も自分で色々とブレンドしていますが、「これとこれをブレンドすると、こんな香りになるんだ!」と驚くこともまだ多く、本当に奥が深い世界だな~と感じます・・・。
今回はブレンドのポイントなど紹介してきましたが、一番大切なのは「自分が心地よい香り」と感じること。
「ブレンドはアート」とよく言われているので、自分の感覚を大切に、アロマライフを楽しんでみてください!