今回ご紹介するのは、バジル精油。
ピザやパスタなどイタリア料理でよく使われていますし、スーパーでスパイス系ハーブの棚に乾燥バジルも並んでいるので、普段よくお料理で使ってる!という方も多いのではないでしょうか。
食べるものというイメージが強いバジルですが、実は精油も採れるんです!
バジル精油、一体どんな効能を持っているのか詳しく見ていきましょう~!
1.バジルってどんな精油?
学名 | Ocimum basilicum |
植物名(和名) | バジル(メボウキ) |
科名 | シソ科 |
種類 | 草本 |
主な産地 | フランス、エジプト、モロッコなど |
抽出部位 | 葉と花の咲いた先端部分 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
特徴的な化学成分 | リナロール、ボルネオン、カンファー、シネオールなど |
香りの特徴 | くっきりとした、少し甘さのあるスパイシーな香り |
有用性 | 強壮、刺激、健胃、頭脳明晰、通経、抗うつ、鎮痛、殺菌など |
バジルは古くから世界各国で、お料理や薬草として使われてきました。
バジルの「basilicum」は、「王」という意味のギリシャ語「バジリコス」から由来しています。
名前が「王」から由来している理由は、バジルが昔非常に尊ばれ、植物の王だと考えられていたためか、当時王に注がれる油の成分のひとつであったからか・・・と言われています。
また、薬草誌を書いたサー・ジョン・パーキンソンは、バジルについて「きわめて優れた香り」「王の宮居にふさわしい」と著書の中で記しています。
(昔はとても高貴なものだった感じがしますね・・・!)
そんなバジルですが、蛇を意味するラテン語の「basilicus」と混同され、一時悪い評判が立ってしまったこともあるようですよ~!
2.バジル精油の特徴
それでは、バジル精油の効能を詳しく見ていきましょう!
体へのアプローチ
バジル精油のスッとした香りには頭脳明晰作用があると言われていて、頭をシャキッとさせてくれます。また、頭痛がする時にバジルを嗅ぐと和らぐ人も。
呼吸器系の調子が悪い時にもおすすめで、鼻づまりや喘息、気管支炎などの症状に良いとの評判もあります。
消化器系の不調に対してもアプローチしてくれ、嘔吐、胃痙攣、吐き気、しゃっくり、消化不良の不快感を抑えてくれることも期待できますし、お腹にガスが溜まっていて苦しい・・・という状態の時にもおすすめ。
また、バジル精油は消毒作用と鎮痙作用も併せ持っているため、胃腸炎など消化器系の感染症にも良いとされています。
スパイシーさのある香りなので少し意外かもしれませんが、女性ホルモンであるエストロゲンに似た働きも持っていて、生理不順や少量月経といった女性特有のトラブルの時に香りを嗅ぐのもいいですね。
心へのアプローチ
リラックスと高揚のどちらの作用も持っているため、気持ちのバランスを取ってくれる精油です。
落ち込んだり、不安に感じたりする時には気持ちを高揚させてくれますし、逆にヒステリーや怒りといった、頭に血が上っているような時には落ち着かせてくれます。
昔の本草学者は、「バジルは心から憂鬱の気持ちを追い払う」と言っていたり、中国では癇癪を治す効果があるとして評判があるくらい、気持ちにアプローチしてくれる力を持っている精油なんです。
憂鬱な時やリラックスしたい時には、ラベンダーやカモミールなどの優しいリラックス系の香りの精油を選びがちですが、そういった香りを嗅いでみて「うーん、なんか少し違うんだよなぁ・・・」と感じる方は、是非バジル精油も試してみてくださいね!
また、バジル精油は細かく神経を使う仕事をされている方や、ミスが許されない数字を扱うような仕事など、仕事内容のストレスが高く自分を追い込んで疲れてしまっているような方にもおすすめ。
そのようなお仕事をされている方は、夜になっても神経が興奮状態でオフモードに切り替えづらかったりもします。
そんな時に鎮静効果の高い精油を使うと、香りと自分の気持ちとのテンションに違いがありすぎて、なんか違う、逆に落ち着かない・・・となる場合も。
バジル精油はシャキっとしたシャープさのある香りなので、まだオフモードになりきれていないような時には、違和感少なく受け入れることができ、自然と気持ちを落ち着かせてくれますよ。
「リラックスしたい~」という時には、手持ちの鎮静効果の高い精油とバジル精油を嗅ぎ比べてみて、今の気分にピッタリ感じる方を選んで使うのも良さそうですね。
肌へのアプローチ
昔は虫刺されのかゆみにバジルの葉が使われていたこともあり、かゆみを抑えることがあるようです。
消毒作用もありニキビを抑える効果があると言われていますが、バジル精油には皮膚刺激作用があるため、敏感肌の方は避けた方が安全です。
3.おすすめな使い方3選
様々な効果が期待できるバジル精油。おすすめな使い方をご紹介いたします!
是非参考にしてみてください。
咳、鼻水などの呼吸器系トラブルに
呼吸器系の調子が悪い時におすすめなバジル精油。
鼻がつまって香りを感じづらい時でも、バジルのスッとした香りは比較的感じとりやすいうえ、嗅覚を回復させてくれる効果も期待できちゃいます!
インドのアーユルヴェーダでは、バジルを呼吸器系のトラブル(咳、気管支炎、喘息など)の治療に用いているそうですよ。
芳香浴として使うのも良いですし、鼻が辛い時には精油成分をしっかりと鼻に届けられる吸入法もおすすめです。
~鼻づまりなどで呼吸がしづらい時に!バジル精油の吸入~
用意するもの:
バスタオル、洗面器、お湯、バジル精油(1~2滴)
使い方:
- 洗面器に熱めのお湯をはって、バジル精油を1~2滴おとす。
- お湯から約30センチほど顔を離したところでバスタオルをすっぽり被り、目を閉じて鼻と口から呼吸する。
もっと手軽にしたい場合は、マグカップにお湯を入れて、そこにバジル精油を1滴おとしてマグカップの蒸気を吸い込む方法でも。
また、蒸気吸入を長時間続けるのは負担がかかるので、長くても1分間くらいで終わらせるようにしてくださいね。
消化器系の不快感に
バジル精油は、消化器系のあらゆる不快な症状におすすめです。
消化不良で気持ち悪さや吐き気があったり、便秘でお腹が重い・・・なんて時にも。
お腹の調子が悪いと、体全体がなんだかだるかったり、元気が出なかったり。ごはんも美味しく食べられず、辛いですよね・・・。
早く調子を取り戻したい時には、バジル精油を希釈したキャリアオイルで、お腹をトリートメントしてあげると良いですよ。
夜食べ過ぎちゃってお腹が苦しい、気持ち悪い・・・なんて時には、寝る前に優しくお腹をトリートメントしておけば、翌朝スッキリしているかもしれませんね!
気持ちのバランスを整えたい時に
バジル精油は、気持ちが昂っている時には落ち着かせてくれ、沈んでいる時には明るい気分にさせてくれます。
気持ちのバランスを整えてくれるので、穏やかに平常心をキープしたい方にはとってもおすすめ。
日頃から感情の上下が激しくて疲れる・・・なんて方はお守り替わりに1本持っておくと安心ですね。
職場や家庭で相手を感情的に怒ってしまったり、イライラを周りにぶつけてしまって後で自己嫌悪・・・なんて方は、爆発する前にバジル精油の香りを嗅いでひと呼吸おいてみてください。
頭も心もスッキリさせてくれ、冷静に落ち着いた感情を取り戻すサポートをしてくれますよ。
4.バジル精油のおすすめブレンド3選
甘さのあるフローラル系の精油と相性が良いですし、ハーブ系のスッキリした香りの精油とブレンドしてもより一層爽やかな香りを楽しめます。
単体だと主張が強めな精油なので、「ちょっとバジルの香りが強いかも・・・」と感じる方は、他の精油とブレンドしたほうが香りがまるくなりおすすめです。
ラベンター精油×バジル精油<疲れた体のトリートメントにおすすめブレンド>
筋肉痛の時のトリートメントにおすすめなバジル精油。
筋肉痛になってしまった時はもちろんですが、体を使って疲れた日の夜なんかにもおすすめです。
鎮痛作用・抗炎症作用のあるラベンダー精油をブレンドすると、さらに炎症を抑えてくれます。
ラベンダーの香りは夜眠る前にもおすすめなので、お風呂上りのトリートメントとしてこちらのブレンドを使うと、体も心も疲れがほどけてゆっくり眠れそうですね。
~たくさん動いて疲れた日のケアに!ラベンダー×バジルのトリートメントオイル~
材料:
キャリアオイル(15ml)、ラベンダー精油(2滴)、バジル精油(1滴)
※精油1滴=0.05mlで計算しています。
道具:
ビーカー、マドラー、遮光タイプの保存容器
作り方:
- ビーカーにキャリアオイルを量って入れる
- 1に精油を入れて、よく混ぜる
- 2を保存容器に移し替えて完成!
作ったオイルは1週間~10日を目安に使い切ってくださいね。
自分でトリートメントするのが億劫だったり、背中など手が届きづらいところをケアしたい、という方は、精油を使った温湿布もおすすめです。
トリートメント(ボディ)の作り方動画を見る↓↓↓
~疲れた体をじんわりほぐす!ラベンダー×バジルで温湿布~
道具:
ラベンター精油(2滴)、バジル精油(1滴)洗面器、お湯、タオル(2枚)、ラップ
使い方:
- 洗面器にお湯をはって、精油をたらす。
- お湯に浮いた精油をすくいとるようにして、タオルを1枚お湯に浸ける。(タオルの両端はお湯に浸からないように、洗面器から出した状態にしておく)
- タオルの両端を持って絞り、痛みや疲れを感じるところにタオルをのせる
- 冷めないようにタオルの上にラップをかけて、もう1枚の乾いているタオルをさらに上にのせておく。
あとは冷めるまでそのまま放置しておくだけでOKです。
冷めても「まだもう少ししたいな~」と感じたら、もう一度タオルをお湯に浸けて作り直してください。
※バジルは皮膚刺激があるため、敏感肌の方は湿布での使用は避けた方が安全です。
アロマ湿布法の動画を見る↓↓↓
レモングラス精油×バジル精油<ハーバルブレンドでリラックス&リフレッシュ>
爽やかな香りでストレスケアしたい!という方におすすめなブレンドがこちらです。
レモングラス精油はスッキリ爽やかな香りなので、元気が出そう、リフレッシュできそう、というイメージの香りですが、実はリラックスさせてくれる成分のほうが多く含まれています。
バジル精油はリフレッシュとリラックスのバランスが良い精油なので、リラックス効果のあるレモングラスとブレンドすることで、気持ちを適度に高揚させてくれつつも、穏やかでリラックスした気分に。
ハーブの爽やかな香りが特徴的なブレンドなので、男性にもおすすめな香りですし、フローラル系やシトラス系の香りだと甘すぎる、と感じる時にも。
どちらもしっかり香る精油なので、芳香浴で使う場合はいつも使っている精油よりも、滴数を少な目にして様子を見てみてくださいね。
ゼラニウム精油×バジル精油<女性トラブルにおすすめブレンド>
どちらも女性のサポートをしてくれる精油なので、生理不順や少量月経など、「もしかしてホルモンバランスが乱れているかも・・・?」と感じる方のサポートとして、おすすめな組み合わせです。
芳香浴としてお部屋で香らせたり、キャリアオイルに希釈してお風呂上がりにトリートメントとして使うのも良さそうですね。
バジル精油はスッキリとした香りが主張するので、バジル単独だとちょっと香りが強いかも・・・と感じる女性は、是非ゼラニウムとブレンドしてみてください!
ゼラニウムの甘い香りが、バジルのシャープさを少し緩和してくれ、マイルドになて受け入れやすい香りになりますよ。
ただし、バジル精油は長期間にわたっての使用はおすすめできません。
毎日使って女性バランスを整えたくなってしまいますが、1日おきに使う、1週間おきに使う、などして「毎日ずっとは続けない」点だけ注意してくださいね。
5.使う時の注意点
妊娠中は注意!
バジル精油には通経作用があるため、妊娠中の使用は避けた方が安全です。
皮膚刺激あり
皮膚を刺激する作用があるため、トリートメントやアロマバスで使う場合、敏感肌の方は注意が必要です。
不安な方は事前にパッチテストをして大丈夫なことを確認してから使うようにしてください。
長期的には使わない
長期にわたって使い続けると、毒性を示す可能性があると言われています。
2週間使ったら他の精油を使うようにする、1日おきで使う、など少し工夫して、バジル精油を使い続けることは避けてくださいね。
バジルの種類
バジルは様々な種類がありますが、精油として使われるのは「フレンチバジル」と「エキゾチックバジル」の2種類のみ。
フレンチバジルの方が毒性が低く刺激が少ないため、アロマテラピーで使うにはこちらの方がおすすめです。
おわりに
バジル精油、いかがでしたか?
普段よくお料理で目にするバジルですが、精油になると意外と様々な効能を持っていて面白い!と感じた方も多いのではないでしょうか?
私は以前鼻づまりが酷かった時に、バジルのブレンドを嗅ぐと鼻通りがスッキリして、鼻水も自然とおさまったことがあります!(すごい!)
精神面でのバランスも整えてくれたり、呼吸器系・消化器系にも良かったり・・・意外と日常様々な場面で使いやすいバジル精油。
少し上級者向けの精油かな?と思われることも多いですが、是非みなさんトライしてみてください~!
★バジル精油 10ml