今回ご紹介する精油は、日本でも馴染みのあるスパイス、シナモン。
お菓子にシナモンが使われているものも多いですし、シナモンロールも美味しくて人気ですよね!
また、喫茶店でカプチーノや紅茶などの飲み物に、シナモンスティックが添えられているところも目にします。
「食べるもの」として身近なスパイスのシナモンですが、シナモン精油になると一体どのような効果があるのでしょうか?詳しく見ていきましょう!
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2.シナモンってどんな精油?
学名 | Cinnamomum zeylanicum |
植物名(和名) | シナモン(セイロンニッケイ) |
科名 | クスノキ科 |
種類 | 木本 |
主な産地 | スリランカ、インド、インドネシア、マダガスカルなど |
抽出部位 | 樹皮、花蕾、葉 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
特徴的な化学成分 | オイゲノール、リナロール、酢酸オイゲニルなど |
香りの特徴 | スパイシーで温かみのある香り |
主な作用 | 強壮、消毒、駆虫、健胃、通経など |
シナモンはとても古くからあるスパイスのひとつで、かつては寺院の薫香で使用され、貴重で神聖なものでした。
神話で有名な不死鳥「フェニックス」は、没薬と甘松香とシナモンを集めて魔法の火を灯し、その中で焼け死んでから蘇った・・・とも言われています。
中国では腸内にガスが溜まりすぎた時にシナモンを使っていたり、ギリシャ人はシナモンの健胃特性や消毒作用を高く評価していた、とも言われていて、古くから健康維持としても世界中で親しまれてきたスパイスです。
3.シナモン精油の効能
スパイスとして有名なシナモンですが、精油になると一体どのような効能を持っているのでしょうか?詳しく見ていきましょう!
体に対するアプローチ
刺激作用と強壮作用があり、体全体を強壮する力を持っている精油です。
循環器系、呼吸器系、消化器系の抵抗力にもアプローチし、虚弱体質の方や疲れやすい方におすすめです。
消化器系に対しては、停滞している消化器を刺激するため、便秘がちの腸には働きを促してくれますし、
他の消化器系のトラブル、胃痛・吐き気・消化不良・下痢などの症状に対してもアプローチしてくれます。
シナモン精油は加温作用も持っているため、冷え症の方に是非おすすめしたい精油です!キャリアオイルに希釈してトリートメントとして使うと良いですよ。
また、消毒力の強さは、風邪やインフルエンザの時期にもうってつけ。
風邪が流行る時期には、シナモン精油をお部屋で芳香浴として使っておくと、空気をクリーンにしてくれて冬でも健康に過ごせそうですね!
心に対するアプローチ
シナモン精油は、体だけではなく心も強壮させてくれるので、気持ちを元気にしてくれ、前向きにさせてくれることが期待できます。
疲れ切ってしまってやる気が出ない時や、心が弱っているような時におすすめ。
リラックスしたい、休みたい・・・という時よりも、ちょっと元気を出したい時、ネガティブな気持ちを切り替えたい時に頼もしい精油です。
また、温めケアの得意なシナモン精油は、「寂しい」「落ち込む・・・」などの、心が冷たくなってしまっているような時にもおすすめ。
スパイシーだけど甘い温かみのあるシナモンの香りが、きっと心を包んでホッとした気持ちにさせてくれますよ。
肌に対するアプローチ
シナモン精油は、マイルドですが収れん作用を持っているため、ゆるみやたるみが気になるお肌をアプローチしてくれます。
ですが、皮膚刺激と粘膜刺激作用があるため、お顔での使用や、アロマバスとして全身浴で使用することはお控えください。
4.おすすめな使い方4選
さまざまな効能を持っているシナモン精油の、おすすめな使い方をご紹介いたします!是非参考にして生活に取り入れてみてくださいね。
冷え症の方に!あたためケアとして
加温作用のあるシナモン精油は、冷え症で悩んでいる方のケアにとってもおすすめ。
キャリアオイルにシナモン精油を希釈して、お風呂上りにトリートメントとして使うと良いですよ。(個人的な感想ですが、お風呂に入って温まった状態を長くキープしてくれるような感じがします!)
また、冷えを放っておくとむくみの原因にもなってしまいます・・・。冷え症の方は、是非日頃からこまめにケアしてみてくださいね。
・・・ですが、シナモン精油単体だと香りの個性がかなり強め。シナモン精油を脇役として使う方が、シナモンの持っているスパイシーで温かみのある香りを引きたせることが出来ます。(「4.おすすめブレンド」を是非参考にしてみてください!)
温めケアにはアロマバスもおすすめしたいところですが、シナモン精油は粘膜刺激作用があるため、全身浴ではなく足浴、手浴など部分浴としてお使いください。
風邪・インフルエンザが気になる季節に!
消毒力のあるシナモン精油は、風邪やインフルエンザが流行る時期に頼りになる精油です。
お部屋で芳香浴として使っておくと、お部屋の空気をキレイにしてくれるので、風邪やインフルエンザが流行する冬でも、毎日健康に過ごせるサポートをしてくれますよ。
また、呼吸器系にも良い働きが期待できるので、予防としてはもちろん、風邪を引いてしまった時にもおすすめ。
鼻がつまって息苦しい時や、鼻水が出る、喉がイガイガする・・・などの不快な症状を楽にしてくれます。
「4-1」で紹介している、ユーカリラディアータ精油とのブレンドもおすすめですので、是非そちらも参考にしてみてくださいね!
「風邪ケアとしてシナモン精油を使ってみたいけど、他の精油とブレンドするのが面倒・・・」という方は、こちらの精油がおすすめです。
★ハーバルフレッシュナー/ニールズヤード レメディーズ
シナモン精油の他にも、レモングラス精油やタイム精油などがブレンドされていて、鼻がスッキリする爽やかな香り。
お部屋の空気がこもっていたり、なんだか空気が悪いなぁ~なんて時にも。芳香浴でお部屋に香らせると、空間をスッキリ爽やかにしてくれますよ。
なんだか疲れやすい、元気が無い時に
強壮作用を持っているシナモン精油は、疲れやすく元気が無い時におすすめな精油です。
体にも心にも働きかけてくれるので、体力的な疲れ・精神的な疲れのどちらでも使えます。
体と心は繋がっているので、精神的なストレスが溜まると体の不調として現れたりもしますし、逆に体が疲れている時にはポジティブな考え方が出来づらくなってしまいますよね。
そんな時には、きっとシナモン精油の温かみのある香りが元気を取り戻すサポートをしてくれますよ!
消化器系の調子が悪い時に
消化器系に対して、良い働きをしてくれるシナモン精油。消化不良、下痢、便秘、食欲不振などなど・・・様々な症状のサポートをしてくれます。
香りを嗅ぐだけでも良いですし、シナモン精油をキャリアオイルに希釈して、お腹のトリートメントとして使うのもおすすめです!
また、温めケアとしても良い精油なので、冷えてお腹の調子が悪い・・・なんて時にも。
ストレスや冷えが原因でお腹の調子が悪くなりやすい方は、1本あると頼りになる精油です!
5.シナモン精油のおすすめブレンド3選
シナモン精油は香りが強く、少しの量でもかなり主張します。
食べるシナモンと同じく、香りのスパイス的な役割として少量をブレンドするのがおすすめ。
他の精油10滴に対して、シナモン精油1滴でも十分存在感が出るくらい。
ブレンドする際には、思っているよりかなり少な目の量から試してみてくださいね!
ユーカリラディアータ精油×シナモン精油<風邪予防や、呼吸器系の不調におすすめ!>
殺菌消毒力の強いシナモン精油と、呼吸器系に良いユーカリラディアータ精油。どちらも風邪の時期に大活躍な精油です!
ユーカリ精油でも良いのですが、シナモン精油に合わせるならユーカリ・ラディアータの方が香りの相性が良くおすすめ。(個人的な意見ですが・・・)
ラディアータの、少し甘さのあるまろやかなハーブの香りに、シナモンの温かみのある香りが絶妙にマッチします!
風邪が流行る時期には、こちらのブレンドをお部屋で芳香浴として使うと良いですよ。
もっと爽やかさが欲しい方やお子様がいる場合には、こちらのブレンドにシトラス系をプラスすると、フレッシュさがプラスされ万人受けしやすい香りになります。
レモン精油だとスッキリ爽快感がアップしますし、オレンジ精油だとみずみずしい甘さがプラスされたブレンドに。
外出する機会が多い方は、マスクスプレーを作って持ち運ぶのもおすすめです!
~鼻スッキリ!ユーカリ×シナモンのマスクスプレー~
材料:
無水エタノール(10ml)、精製水(40ml)、ユーカリラディアータ精油(5滴)、シナモン精油(1滴)、レモン精油(4滴)
※精油1滴=0.05mlで計算しています。
道具:
ビーカー、マドラー、スプレータイプの保存容器(遮光がおすすめ)
作り方:
- ビーカーに無水エタノールを量って入れる
- 1に精油を入れ、混ぜる
- 2を保存容器に移し替えて完成!
直射日光の当たらない冷暗所に保管して、毎回スプレーする前に容器を振ってから使ってください。
アルコールが入っているため、マスクは顔から外した状態で、マスクの外側にスプレーしてください。
また、スプレーした直後にマスクを付けるとアルコール臭がツンと来るので、スプレーして20秒くらい間を置いてからマスクを付ける方がおすすめです!
マスクスプレーの作り方動画を見る↓↓↓
シナモンは1滴でもかなり香るため、香りと精油濃度のバランスを考えて50mlのレシピにしていますが、手作りのものなので早めに使い切る方がおすすめです。
「マスクにスプレーするだけだと、なかなか使いきれない・・・」という方は、ルームスプレーやハンドスプレーとしても使えるので、こまめにシュッとしてケアしてくださいね。
オレンジ精油×シナモン精油<温めケアにおすすめ!心も温まる甘さのあるブレンド>
オレンジとシナモン・・・スウィーツをイメージさせる組み合わせで、なんだか美味しそうですよね。
太陽をいっぱい浴びたオレンジの明るいフレッシュな香りに、シナモンのスパイシーな甘い香りをアクセントに加えることで、オレンジが少しビターに、大人っぽくなるブレンドです。
オレンジもシナモンも、温めケアにおすすめな精油。
なので、冷えが気になる方はこちらの精油をキャリアオイルに希釈して、お風呂上りにトリートメントすると良いですよ!
オレンジの馴染みのある明るい香りは、気持ちもホッと安心させてくれるので、寂しさや落ち込みを感じる時にもおすすめなブレンドです。
シナモンの方が香りが強いので、スパイス程度にほんの少量加えるだけでOKです。
~体も心も温まる!オレンジ精油×シナモン精油のトリートメントオイル~
材料:
キャリアオイル(30ml)、オレンジ精油(5滴)、シナモン精油(1滴)
※精油1滴=0.05mlで計算しています。
道具:
ビーカー、マドラー、遮光タイプの保存容器
作り方:
- ビーカーにキャリアオイルを量って入れる
- 1に精油を入れて、よく混ぜる
- 2を保存容器に移し替えて完成!
こちらのブレンドはシナモンの香りもしっかり感じられる分量となっています。
シナモン精油の香りが強いと感じる方は、少し分量をアレンジして「キャリアオイル50ml×オレンジ精油9滴×シナモン精油1滴」で試してみてくださいね。
トリートメント(ボディ)の作り方動画を見る↓↓↓
ローズマリー精油×シナモン精油<シャープな香りの温めブレンド>
こちらのブレンドも、加温作用のある精油の組み合わせ。
4-2でご紹介したオレンジ精油と同じく、こちらも温めのケアにおすすめなブレンドですが、香りの雰囲気が全く違ってきます。
オレンジとブレンドすると甘く安心する香りになりますが、シャープな香りやキリっとスッキリする香りがお好きな方は、是非ローズマリーとブレンドしてみてください!
シナモンのほんのり温かみのあるスパイシーな香りを加えることで、ローズマリーのスッキリした香りに奥深さが生まれます。
それぞれ単体で嗅ぐとどちらも主張が強い精油なので、「ブレンドすると喧嘩してしまうんじゃないか・・・?」と不安になる方もいらっしゃると思いますが、意外にもお互い寄り添い合ってくれます。
元気を出したい時や、これから仕事や勉強で集中したい!なんて時にもおすすめなので、日中に芳香浴としても使うのも良いですよ。
ブレンドの割合は、ローズマリーを多めにする方がバランスが良くなります。
「ローズマリー:シナモン=5:1」くらいで最初は試してみて、あとはお好みで調整してみてくださいね。
6.使う時の注意点
様々な良い効能が期待できるシナモン精油ですが、使う際に注意が必要な点がいくつかあります。
以下の点に注意して、安全にシナモン精油を楽しんでください。
皮膚刺激に注意!
シナモン精油には皮膚刺激があるため、ボディケアなど肌に触れるもので使う場合には必ず希釈濃度を0.5%以内にしてください。
今回の記事でご紹介しているレシピは全て0.5%以下にしていますが、敏感肌の方や少し不安な方は、事前にパッチテストをして大丈夫なことを確認してからお使いください。
粘膜刺激に注意!
シナモン精油は粘膜も刺激するので、全身浴やフェイスケアでは使わないようにしてください。
足浴、手浴なら大丈夫なので、アロマバスで使いたい!という方は部分浴での使用をおすすめします。
妊娠中は使用しない
シナモン精油は通経作用があり、流産を起こす可能性があるとも言われているので、妊娠中の使用は避けた方が安全です。
おわりに
シナモン精油、いかがでしたか?
温めケアにも風邪ケアにも使える精油なので、寒い冬場には特におすすめしたい精油です!
香りが強めなので、シナモン精油単体で嗅ぐと「ちょっと扱いづらいかな・・・」と感じる方も多いかと思いますが、他の精油に少量ブレンドしてみてください。
いつもと少し違う、スパイシーで大人っぽい香りが楽しめますよ~!
また、香りが長く残りやすくもあるので、芳香浴で使っているとブレンド次第では途中シナモンの香りしかしなくなってくることも・・・。
そんな時は途中でディフューザーを止めて、シナモン以外の他の精油を足せばまた香りが新しくなるので、少し工夫しながら使ってみてくださいね~!
★暮らしと香り シナモンリーフ精油