こんにちは、暮らしと香りライターのきいろいナリーです!
梅雨や夏の季節の悩みの1つと言えば…虫除けや対策ではないでしょうか?
この時期は、「虫が増えてイヤ!!」という方も多いと思います。
そんな虫除けに、クローブ精油が効果的なんです!
今回は、クローブ精油を活用して虫除けする方法を紹介します!
1.クローブとは?
スパーシーな香りが特徴で、カレーや煮込み料理、チャイなどの香辛料としても使われているクローブですが歴史は古く、
なんと日本には奈良時代には輸入されていました!
1-1.どんな植物?
名前 | クローブ・バッド |
学名 | Syzygium aromaticum |
科名 | フトモモ科 |
主な産地 | インドネシア、マダガスカル、スリランカなど |
抽出部位 | 蕾 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
タイプ | スパイス系 |
香りの強弱 | 強 |
ノート | ミドル~ベースノート |
主な成分 | オイゲノール、酢酸オイゲニル、オイゲニルアセテート、β-カリオフィレン、α-フムレン、カリオフィレンオキサイドなど |
クローブは、フトモモ科の樹木チョウジノキの蕾です。
チョウジノキの蕾は釘に似た形をしているため、
英語圏で「釘」の意味を指す「Clove」と呼ばれています。
また、中国では「釘」という漢字と同義語の「丁」の字を当てて「丁子(チョウジ)」と呼ばれています。
香辛料として使われるほかに、中国では漢方薬としても使われているんです。
原産地は、インドネシアのモルッカ群島やマダガスカル、スリランカなどの
1年を通して温暖で雨量の多い地域で栽培されています。
クローブは、種子から発芽して7~8年目頃に収穫が可能になります。
1~2月と7~9月につぼみを付け、年2回収穫が行われます。
クローブは、樹木の高い場所に実るため、かつては高い作業やぐらをたて手摘みしていましたが、
現在では、枝や葉からもクローブオイルが抽出できるため枝ごと切り落として収穫されます。
1-2.歴史
現在では、コショウ・ナツメグ・シナモンとともに「世界四大スパイス」とも言われています。
紀元前3世紀ごろの漢王朝では、皇帝に謁見する前の口臭エチケットとして
チョウジを口に含んで噛んでいたと言われています。
ヨーロッパには、西暦500~700年頃に中国商人によってもたらされ
貴族の間で珍重されるようになりました。
ヨーロッパはクローブが育ちにくい環境だったため、
当時は金と同じくらいの価値があり、高価で大衆の手は渡っていませんでした。
その後、ヨーロッパ人が大規模な航海を行った大航海時代(西暦1415~1650年頃)になると、
クローブはコショウ・ナツメグとともにスパイス貿易の中心的商品となり一般にも出回るようになります。
しかし、この時代の生産地域は限られていたため、ヨーロッパ諸国ではクローブを含めたスパイスの利権争いが勃発していました。
日本には、奈良時代頃にクローブが伝来していたと考えられており、
正倉院の宝物の中にもクローブ(丁子)やコショウ、シナモンが収められています。
2.クローブ精油の効果
2-1.虫除けとしての効果
クローブ精油に多く含まれているオイゲノールという成分には、
昆虫忌避作用やカビの繁殖を抑える働きがあります。
そのため、害虫やカビなどが気になり始める梅雨時期~夏の時期などにも活躍します。
加えて、オイゲノールの香りはゴキブリが嫌うため対策としても役立ってくれるでしょう。
下にゴキプリ対策のポプリの作り方も紹介しています!
また、優れた抗菌・抗真菌・抗ウイルス作用があることを認められているため、
雑菌が増えやすいキッチンやトイレなどの掃除にもオススメです。
2-2.実は、虫除けだけじゃない効果
精神的な効果
クローブ精油は、私たちの体にも精神面・身体面ともに期待できる効果があると言われてています。
主成分であるオイゲノールには、精神的疲労やストレスを軽減させて明るい気持ちにさせてくれると言われています。
また、神経的ストレスを落ち着かせて胃腸強壮作用や消化促進作用などの
消化器の働きを手助けしてくれる作用もあるとされています。
身体的な効果
オイゲノールは鎮痛・鎮痙作用を持っているとも言われているため、
胃痛や痙攣性の腹痛、胃腸の不調から起こる口臭対策などにも役立つと考えられています。
加えて、血液循環を良くし体を温める働きを持つ精油の一つとも言われています。
血液の循環を良くする効果によって、健康な血圧を維持する可能性も期待できます。
このため、低血圧の方や血行不良性の冷え性、冷えが原因で起こる腹痛や下痢などの緩和に効果が期待されています。
2-3.注意点
クローブ精油の注意点
・妊娠中・授乳中の方は使用を避けてください。
・皮膚刺激が強い精油です。
・敏感肌の方やアレルギー症状を持つ方は、芳香浴の場合も注意して利用してください。
・クローブは作用が強い精油のため、多量・長時間の利用は控えて下さい。
・体調に悪影響がないかを確認しつつ使用しましょう。
精油全体の注意点
精油はどれでも安全というわけではありません。
各精油の注意点は精油ごとに書いていますが、精油を安全に使うためには次の点に気を付けて下さい!
・本物の精油(エッセンシャルオイル)を使う
→成分が、100%天然の精油であることを確かめてから使用しましょう。
・劣化した精油を使わない
→酸化が進んで劣化した精油は、香りの質が低下するだけでなく、皮膚の炎症も引き起こす原因にもなります。
・適度な使用にとどめる→使用量を守りましょう!
・目に入れたり、飲んだりしない
・火気まわりでの取り扱いに注意
・妊産婦・高齢者・病気療養中のご使用は専門家に相談してから使用して下さい。
・授乳中の方、乳幼児は少量から利用して下さい。
・利用前にパッチテストを行いましょう!
3.精油の手軽な使い方
3-1.ゴキブリが嫌いなポプリの作り方
●材料
・クローブ精油…10~15滴
・乾燥クローブ… 大さじ1杯
●道具
・小皿(またはアルミホイル)
アルミホイルを使用するときは、小皿の形に成形してください。
●作り方
①小皿の上に、乾燥クローブを乗せる。
②①に精油を染み込ませる。
●使い方
ゴキブリが出没しそうな場所に置いておくと効果的です!
3-2.虫除けルームスプレー
●材料
・クローブ精油… 10滴
・無水エタノール… 10ml
・精製水…90ml
●道具
・ビーカー(プラスチック製よりもガラス製の方が好ましいです。
濃い精油は、プラスチックの材質を溶かしてしまうこともあります。)
・かくはん棒(未使用の竹串や爪楊枝でも代用可)
・スプレーボトル(精油を薄めた液体を入れるのであれば、プラスチック製のものでも可)
・ラベル
●作り方
①ビーカーに無水エタノールを入れてから精油を加え、よく混ぜる。
②精製水を加えてさらに混ぜる。
③遮光スプレー容器に移す。
●使い方
虫の侵入口や発生しやすい場所にシュッとスプレーを吹きかけると効果的です。
●注意点
※直射日光を避け、7~10日程度で使い切ってください。
おわりに
梅雨や夏の時期になると、蒸し暑くジメジメして何かと不快に感じることが多くなる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
イヤでも増えてしまう虫ですが、クローブ精油を使って嫌なことを1つでも減らして快適に過ごしましょう!