風邪やインフルエンザ、花粉症などの予防・軽減のために長期間マスクをつける機会が増えました。
そんな時の悩みが、「マスクのしすぎで肌がこすれてヒリヒリ痛い…」
「突然吹き出物が出てしまった…」など肌のトラブルではないでしょうか?
こんなとき、肌トラブルに効果的な物がシアバターなんです!
今回は、肌トラブルにオススメのシアバターや精油の使い方を紹介したいと思います!
1.マスク荒れってなに?
マスク荒れとは、マスクを長時間つけることによって引き起こされる肌のトラブルのことです。
マスクをつけることによって、摩擦や乾燥が引き起こされ肌荒れをしてしまったり、
吹き出物ができてしまったりすることが挙げられます。
1-1.肌荒れの原因って?
1-1-1.マスクを外した後の乾燥
マスクをしているのに「乾燥?」って思いませんか?
実は、マスクをしている時ではなく、マスクを外した後に起こる乾燥です。
着用しているときは、マスクの内側は湿度が保たれて保湿された状態になっています。
しかし、マスクを外すと肌に付着していた水分が蒸発してしまい、
加えて、肌の角質層の潤いまで一緒に持っていってしまいます。
そのため、乾燥が引き起こされてしまうのです。
1-1-2.摩擦による乾燥
マスクを着用していると、鼻の上部から顎の下まで顔のほとんどが覆われます。
このとき、肌とマスクの繊維が直接触れていて擦れることが刺激になり、肌が反応して荒れることがあるのです。
ガーゼ素材よりも使い捨てに使用される不織布マスクのほうが摩擦が強く、肌への刺激は強いとされています。
1-1-3.呼吸したとき、雑菌が排出され増える
私たちの口の中には常在菌が住んでおり、その中には雑菌も含まれています。
呼吸したときに、排出された雑菌や話すときなどに飛んだ唾液などもマスクに付着してしまう上に、
マスクの内側は雑菌にとって湿度も温度も高く好ましい環境のため、
繁殖して肌荒れやニキビなどを起こす原因となることもあります。
1-2.マスク荒れを軽減する方法
マスク荒れを軽減する方法は、清潔に保つことと保湿することが重要です!
マスクの内部を清潔に保つ方法としては、マスクと肌の間にティッシュやキッチンペーパーなどを挟む方法があります。
私もティッシュを挟む方法をやっていますが、
柔らかいティッシュで摩擦が軽減されています!
ただ、会話したり、ガムを噛んだりしている内に
マスク内でクシャクシャになってしまうんですよね…
なので、個人的には凹凸の少ないキッチンペーパーがオススメです!
摩擦による肌荒れも軽減されますし、オススメです!
また、マスクをしているとき耳の後ろが痛い方は、
マスク紐を輪ゴムやクリップでつなげる方法や
耳にかけずに装着できる商品もあります。
保湿に関しては、日々のスキンケアとしても使うことのできる、
シアバターがオススメです!
私たちの肌と似た性質の成分が多く含まれているので、
肌になじみやすくとても使いやすいです!
2.シアバターとは?
シアバター は、ガーナやナイジェリアなどアフリカ諸国に自生する
シアーバターノキの種子から採れる天然の植物油脂です。
シアーバターノキの寿命は約200年と言われていていますが、植えてから花が咲くまで約20年、
実をつけるまではさらに20年かかり、これ以降3年に一度しか実らないとても貴重なものです。
常温では固形ですが、人の体温ほどの温度で溶けるためオイルではなくバターと言われます。
未精製のシアバター は36.5℃程度の温度で溶けますが、
精製されたものは融点が高くなるため39℃程度で溶けます。
未精製のシアバターの方が、精製された物よりも
肌となじみやすく浸透力があるとされています。
名前 | シアバターノキ |
学名 | Vitellaria paradoxa |
科名 | アカテツ科 |
主な産地 | ガーナ・ナイジェリアなど |
抽出部位 | 種子 |
抽出方法 | 圧搾法 |
主な成分 | ステアリン酸・オレイン酸・トコフェロール・カロチノイド・トリテルペン・アラントイン |
2-1.シアバターの歴史
シアバターの歴史は何百年と続いており、本の記述で最も古いものは14世紀にまでさかのぼります。
アフリカ諸国では、昔から厳しい乾燥から肌を守るために、
天然の保湿クリームとして使われてきました。
また、赤ちゃんの日焼け止めや傷や火傷のお手入れ、
食用油などさまざまな用途で愛用されてきました。
2-2.シアバターの効果
シアバターの主成分であるオレイン酸とステアリン酸は
人の皮膚と似た性質を持っています。
特にオレイン酸は、人間の皮脂に約40%も含まれている成分です。
肌を長時間にわたって保湿してくれる効果があり、肌に馴染みやすい特徴があります。
ステアリン酸は、肌に天然の保護膜を作って乾燥から肌を守ってくれます。
これらの成分の他にも、効果を期待できる成分が含まれています。
トコフェロールは、天然のビタミンEといわれており酸化防止効果があります。
また、肌の血液循環を良くする働きもあるため、
肌の保護やシワやたるみを防止してくれる効果もあるといわれています。
カロチノイドには、荒れた肌や粘膜を健康な状態に再生して丈夫にする効果があるといわれています。
トリテンペンには、肌となじみやすい親水性があるため、肌を柔らかくする特徴があります。
また、ケイ皮酸という成分には、紫外線吸収作用と血行促進作用があるといわれています。
アラントインには、傷の回復を促進する効果があり、
やけどなどの手当てや肌あれを防ぐ目的で化粧品に配合されています。
2-3.どっちのシアバターが良いの?
シアバターなら、どんな種類でもいいのでしょうか?
主に、不純物を取り除かない未精製シアバターと
不純物を取り除いて精製されたものの2種類に分けられます。
それぞれに特徴があるので、ご自身に合ったものを選びましょう!
2-3-1.未精製なもの
シアバターノキから抽出した成分をそのまま使用したものです。
色は、クリーム色がかったものが多いです。
未精製のため、シアバターノキそのものに含まれるカロチノイドやトコフェロールなどといった微量なスキンケア成分が含まれています。
精製したシアバターよりも、栄養価がや香りが高いところが特徴ですが、
製造過程のロットによって色や香りのバラつきが大きい物もあります。
また、植物をそのまま抽出しているため、不純物も多く敏感肌の方やアレルギーを持つ方などは注意が必要になります。
2-3-2.精製したもの
微量に含まれる不純物を取り除いたものです。
不純物を除去する方法として、科学的な方法やろ過をして抽出することが多いです。
色は、白色に近い色をしています。
未精製のものより不純物が少ないため、
敏感肌の方やアレルギーを持つ方、赤ちゃんなどは、精製されたシアバターを使用することをオススメします。
2-4.使い方
日々のスキンケアのときにシアバターを加えましょう!
保湿は、洗顔やバスタイムの後にすばやく塗ることがオススメです。
これらの後にケアする理由は、水分が蒸発しやすくすぐに肌が乾燥してしまうためです。
身体や顔を洗うときに、ゴシゴシこすってしまうと角層の表面が傷付いてしまいます。
肌のバリア機能が破壊され水分が蒸散しやすい状態になってしまうのです。
さらにお湯船につかることで、角質が水分を含んで膨張してしまい、
隙間ができて肌の水分が蒸散しやすい状態になってしまいます。
洗顔やバスタイムの後、少なくとも30分以内にはスキンケアをすることがことがポイントです。
3.精油のブレンドで、シアバターの効果を高める
3-1.乾燥によるカサカサ肌に効果的な精油¥
3-1-1.ジャーマンカモミール
名前 | ジャーマン・カモミール |
学名 | Matricaria recutita |
科名 | キク科 |
主な産地 | 地中海沿岸 |
抽出部位 | 花 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
タイプ | フローラル系 |
香りの強弱 | 中 |
ノート | ミドルノート |
主な成分 | ビサボロール誘導体(ビサボロールオキサイド類)、β-ファルネセン、アズレン誘導体(カマズレン)、ゲルマクレンD |
ジャーマン・カモミール精油は、インクのような青色をしています。
この色の元である、アズレン誘導体(カマズレン)には
抗アレルギー・抗ヒスタミン・抗炎症・鎮掻痒などがあると言われています。
また、皮膚組織の再生を促す働きも期待できることから、
ニキビや傷などの治癒促進用としても取り入れられています。
抗酸化作用に加えて保湿、消炎、収斂、血行促進、鎮痛、紫外線防御、メラニン抑制などの効果も期待できます。
また、含有率が高いビサボロールオキサイドAという成分にも抗炎症作用が期待されているため、
ジャーマン・カモミールは炎症や痒みを抑えることに優れた精油といわれています。
注意点
・妊娠中の方は使用は避けましょう。
・キク科植物(ブタクサなど)のアレルギーがある人は注意が必要です。
・精油が衣服などに付いてしまうとシミになる可能性があります。
3-1-2.フランキンセンス
名前 | フランキンセンス |
学名 | Boswellia carterii |
科名 | カンラン科 |
主な産地 | アラビア半島・紅海地域 |
抽出部位 | 樹脂 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
タイプ | 樹脂系 |
香りの強弱 | 強 |
ノート | ベースノート |
主な成 | α-ピネン・リモネン・p-シメン・ボルネオール |
フランキンセンスは、保湿剤として多くのスキンケア製品に配合されています。
肌を引き締めたり、発汗をおさえたりする『収れん作用』があり、
皮脂の分泌を抑えバランスを整えるといわれています。
フランキンセンスの精油に多く含まれているα-ピネンやリモネンなどには、
抗菌・抗炎症作用が報告されているためニキビ予防にも効果が期待されています
注意点
・敏感肌の方やアレルギー体質の方は、注意が必要です。少量で試してからお使いください。
・妊娠初期の方や乳幼児への利用は避けましょう。
3-2.吹き出物に効果的な精油
3-2-1.ティーツリー
名前 | ティーツリー |
学名 | Melaleuca alternifolia |
科名 | フトモモ科 |
主な産地 | オーストラリア |
抽出部位 | 葉 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
タイプ | 樹木系 |
香りの強弱 | 強 |
ノート | ミドルノート |
主な成分 | 主な成分:テルピネン-4-オール、γ-テルピネン、α-テルピネン、α-テルピネオール、1,8-シネオールなど |
ティートリー精油は、抗菌・抗ウイルス作用や抗炎症作用を持つ成分が多く含まれているとされています。
テルピネン-4-オールや1.8-シネオール、γ-テルピネンという成分にも
抗菌・抗ウイルス作用 や抗炎症作用があり、
マスクの内部を清潔に保ち、ニキビ予防にも効果が期待できます。
注意点
・妊娠中の方や乳幼児への利用は避けるようにしてください。
・成分が強いため、皮膚炎症を起こす原因となることが認められています。
・初めて使用する場合は希釈した上でパッチテストを行い、
敏感肌の方であれば芳香浴でも違和感を感じたら使用を中止してください。
3-2-2.ラベンダー
名前 | ラベンダー |
学名 | Lavandula augustifolia |
科名 | シソ科 |
主な産地 | 地中海アルプスの山岳地帯 |
抽出部位 | 花 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
タイプ | フローラル系 |
香りの強弱 | 強 |
ノート | ベースノート |
主な成分 | 酢酸リナリル・リナロール・ラバンジュロール・テルピネン-4-オール |
ラベンダー精油には、酢酸リナリルとリナロールという成分が含まれており、
鎮痛・抗炎症作用があるとされています。
また、皮膚から水分が蒸発してしまうことを抑えて、うるおいを保ち皮膚を柔らかくする効果もあるといわれています。
リナロールには、殺菌作用や皮脂の分泌を調整する作用、抗炎症作用が期待されています。
肌の潤いを保つとともに余剰な皮脂分泌を抑えることで
ニキビ予防にも効果があると考えられており、
肌荒れ・吹き出物・湿疹などのケアにも役立つといわれています。
注意点
・妊娠中の使用は控えてください。
4.シアバターの手作りクリームの作り方
保湿したい箇所にシアバターをそのまま塗布することもオススメですが、
手作りのクリームでさらに効果を高めましょう!
材料(1回分)
・マカダミアナッツオイル…15ml
・シアバター…15g
・3からお好みの精油1種類… 1~5滴
道具
・計量スプーン
・材料を混ぜ合わせるための容器(耐熱性がある物・もしくは紙コップ)
・かくはん棒(未使用の竹串や爪楊枝でも代用可)
・保存容器
作り方
①容器にマカダミアナッツオイルとシアバターを入れ振り混ぜる。
②電子レンジに入れ、500~600Wで10~20秒ごとに様子を見ながらかき混ぜ温める。
③粗熱がとれたら、精油を加えかき混ぜる。
④保存容器に入れる。
注意点
※冷暗所で保存し、1ヵ月以内にご使用ください。
5.使用上の注意点
精油はどれでも安全というわけではありません。
各精油の注意点は精油ごとに書いていますが、精油を安全に使うためには次の点に気を付けて下さい!
・本物の精油(エッセンシャルオイル)を使う
→成分が、100%天然の精油であることを確かめてから使用しましょう。
・劣化した精油を使わない
→酸化が進んで劣化した精油は、香りの質が低下するだけでなく、皮膚の炎症も引き起こす原因にもなります。
・適度な使用にとどめる→使用量を守りましょう!
・目に入れたり、飲んだりしない
・火気まわりでの取り扱いに注意
・妊産婦・高齢者・病気療養中のご使用は専門家に相談してから使用して下さい。
・授乳中の方、乳幼児は少量から利用して下さい。
・利用前にパッチテストを行いましょう!
おわりに
今回は、マスクの肌荒れ軽減にシアバターを紹介しました。
保湿効果だけでなく、抗酸化作用や紫外線防止効果もあり1年中使うことができる保湿剤なので、
ぜひ、シアバターを使ってみてください!
参考
・あたらしいアロマテラピー事典/木田順子/2018年/高橋書店
・きほんのアロマテラピー/佐々木薫/2016年/主婦の友社
・だるさ解消情報集~D長屋~
『【アロマ】ティーツリー(ティートリー)精油-植物の特徴・期待される効果効能とは?』
・素肌をはぐくむルシェーヌ化粧品 お肌のための化学のおはなし
第6回のおはなし 『乳液にできること』
・フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 シアバターノキ
・ウェザーニュース
『入浴後30分で肌は乾燥状態に 原因は2つのなにげない習慣だった』