小さくて可愛い、可憐なお花・・・カモミール。
ハーブティーにもよく使われて、カモミールティーを飲むとリラックスできる、ということも有名ですよね。
カモミール精油には「カモミール・ローマン」と「カモミール・ジャーマン」の2種類がありますが、今回はローマンの方をご紹介していきます。
1.カモミール・ローマンってどんな精油?
学名 | Anthemis nobilis, Chamaemelum nobile |
植物名(和名) | ローマンカモミール(ローマカミツレ) |
科名 | キク科 |
種類 | 多年草 |
主な産地 | フランス、イギリス、ハンガリーなど |
抽出部位 | 花 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
特徴的な化学成分 | アンゲリカ酸エステル類 |
香りの特徴 | 青りんごのような、フローラルな甘い香り |
主な効能 | 鎮痛、抗アレルギー、鎮痙、消化促進、鎮静、抗うつ など |
学名の由来はギリシャ語で「地面のリンゴ」という意味からきていて、青りんごのような甘い香りの精油です。
2.カモミール・ローマン精油の効能
カモミール・ローマンは「植物のお医者さん」とも呼ばれ、カモミールを植えておくと近くに生えている植物の病気を治してくれる…と言われています。
人間に対しては、一体どのような効果があるのか詳しく見ていきましょう!
体に対する効能
「鎮静」と「緩和」の作用が強く、主に神経系と消化器系に作用します。
神経が緊張している時に使うとゆるめてくれますし、消化不良、下痢などの消化器系の不調に効果的。
特に不安やストレスが原因でお腹の調子が悪くなりやすい方には、是非おすすめしたい精油です。
毒性が低いため、お子様に使いやすいのも嬉しいポイントです。
鎮痛作用もありますが、カモミール・ローマンは突発的な痛みというよりは「鈍い痛み」の方が力を発揮します。
頭痛、歯痛、神経痛、筋肉痛・・・などなど、痛みが鈍く続いているような時におすすめ。
また、生理周期を整えてくれたり、月経痛を和らげてくれたりと女性に嬉しい効果も持ち合わせています!
心に対する効能
精神面に対しても、リラックスや鎮静の効果が高いカモミール・ローマン。
不安、緊張、怒り、恐怖・・・といった負の感情を和らげてくれ、心に平穏をもたらしてくれます。
ストレスや不安から、イライラしたり神経質になっている時にもおすすめです。
不眠にも効果的で、特に精神的なストレスから寝付きづらい、眠りが浅い・・・というような時には、寝室にカモミールを香らせてみてください。
安らかで優しい気持ちにしてくれ、ぐっすり眠りにつけるお手伝いをしてくれますよ。
また、お子様が神経過敏になっていたり癇癪を起している時には、お部屋にほんのり香らせておくと、気持ちを穏やかに落ち着かせてくれます。
カモミール・ローマンは刺激性は少ないですが、お子様に使う場合には芳香浴のみで使うようにして、普段大人が使う量よりかなり少な目(多くても半分まで)にしてくださいね。
肌に対する効能
抗炎症作用があり、皮膚の炎症、湿疹などが気になる時におすすめです。
炎症を起こしているような時はお肌がデリケートに傾きがち。
そんな時でも、カモミール・ローマンは刺激が少ないため、お肌が敏感になっている時にも比較的使いやすい精油です!
また、ストレスが原因の肌荒れや肌トラブルにも効果的。
カモミールの甘い香りも楽しみながらケアすると、精神的なストレスケアも出来るのでさらに効果が出そうですね…!
ドライスキン向きな精油なため、乾燥が気になる方のほうがお勧めです。
※刺激性は少ない精油ですが、心配な方や化粧品でよく荒れる・・・という方は、キャリアオイル等に希釈したものを、パッチテストで確認してみてから使うようにしてくださいね。
3.おすすめな使い方3選
リラックス効果が高く、お肌にも良いカモミール・ローマン。
おすすめな使い方をご紹介しますので、是非参考にしてみてください!
不眠・イライラ・・・寝る前のリラックスケアに
ストレスや不安が原因で、不眠やイライラに悩まされている方には効果抜群!
神経系の鎮静もしてくれるので、イライラして気持ちが昂って眠れない・・・なんて時に使うと、ゆっくりと気持ちをゆるめて眠りにつきやすくしてくれますよ。
眠りにつく1~2時間前からお部屋に香らせておくと、寝る時間までにだんだんと気持ちをスローダウンさせてくれ、眠りにつきやすくしてくれます。
肌荒れ時のスキンケアにも!
お肌の炎症に良いカモミール・ローマン。
刺激性も少ないため、肌荒れや湿疹が気になるような時には是非スキンケアに取り入れてみてください。
肌荒れに加えて乾燥も気になっている時には、抗炎症作用があり保湿力もバッチリなホホバオイルに希釈するのがおすすめ。
お肌の油分が少ないと外的な刺激も受けやすくなるため、オイルで油分をプラスしておくと、お肌のバリア機能がアップしてお肌を守ってくれますよ!
~カモミール・ローマンのお肌に優しいスキンケアオイル~
材料:
ホホバオイル(30ml)、カモミール・ローマン精油(6滴)
道具:
ビーカー、マドラー、遮光タイプの保存容器
- ビーカーにホホバオイルを測って入れる
- 1に精油を入れて、よく混ぜる
- 保存容器に移し替えて、完成!
体の広い範囲で肌荒れしているような時には、沐浴が手っ取り早くておすすめです。
バスソルトでも良いのですが、もしお肌が敏感になっていて塩に刺激を感じるような時には、バスオイルで試してみてください。
オイルの油分でお肌もしっとり潤いますよ~!
~カモミール・ローマンのバスオイル~
材料:
キャリアオイル(大さじ1)、カモミール精油(1~3滴程度)
小皿にオイルを入れ、精油を入れて混ぜ合わせたものをお風呂に入れるだけ。
ゆっくりお風呂に浸かりながら香りも楽しんでいると、お肌はもちろん気持ちも体も癒されそうですね・・・!
精油の量はお好みで調整していただければ良いのですが、カモミール・ローマンは香りが強めなので、最初は1滴で香りの強さを確かめてください。
キャリアオイルの代わりにハチミツを使ってもOKです!
目の炎症・疲れには、アイマスク!
抗炎症作用があるカモミールは、目が炎症している時にも効果的。
花粉症で目がかゆい時や、PC作業やスマートフォンで目を酷使して疲れてしまった時には、アイマスクで目を休憩させてあげるのがおすすめです!
香りにも癒され、目だけでなく心もリラックスできちゃいます・・・!
作り方もレンジがあればとっても簡単で、タオルを水で濡らして絞り、レンジで30秒くらいチンして精油を1、2滴おとし、目の上に置いておくだけ。
ただ1つ注意点があり、精油をおとしたタオルの面が直接肌にあたらないようにすることだけお気を付けください!
4.カモミール・ローマンのおすすめブレンド4選
同じフローラル系の香りか、シトラス系の香りと相性抜群です。
優しい、甘い、リラックス・・・なんて香りの気分の時にはフローラル系と合わせるとバッチリですし、
ちょっと今日はカモミール・ローマンの甘さが強いな、と感じる時にはシトラス系と合わせてあげると軽さを出してくれるのでおすすめです。
その中でも、香り&効能の両面から考えて、おすすめなブレンドを4つご紹介します!
オレンジ×カモミール<不眠や癇癪に!お子様にもおすすめの落ち着く優しいブレンド>
優しい気持ちになれる、癒される甘い香りのブレンドです。
夜になってもなかなか寝付かない、お子様の癇癪が激しい・・・そんな時にはこちらのブレンドをお部屋に香らせてみてください。
鎮静のカモミール・ローマンと、安眠効果のあるオレンジ。Wで不眠に働きかけてくれます。
カモミールのお花って見た目は小さく可憐ですが、精油になると意外と香りが強いので、オレンジが多めの方がバランスが良いです。
個人的に好きなブレンドは、オレンジがかなり多めの「オレンジ:カモミール=5:1」くらい。
このくらいオレンジを多めにしておくと、カモミールの甘い香りをオレンジのフレッシュで可愛い香りが包み込んでいる・・・そんなイメージの香りになります。
もしラベンダー精油もお持ちの方は、このブレンドに少しラベンダーを足してあげるのもおすすめです!
よりリラックスできる香りになりますよ~!
マジョラム×カモミール<肩こり、腰痛・・・痛みのケアにおすすめブレンド>
どちらの精油にも加温作用があるため、温めつつほぐしてくれる効果があります。
マジョラムはこわばりを取ってくれる効果が、カモミール・ローマンには鎮痛作用があるため、痛みのケアにはとっても良いブレンドです。
慢性的な肩こりや腰痛、筋肉痛など、ほぐしてあげたい痛みがある時に是非お試しください。
~慢性的な痛みのケアに!カモミールとマジョラムのマッサージオイル~
材料:
キャリアオイル(30ml)、マジョラム精油(4滴)、カモミール・ローマン精油(2滴)
道具:
ビーカー、マドラー、遮光タイプの保存容器
- ビーカーにオイルを測って入れる
- 1のオイルの精油を混ぜて入れる
- 保存容器に移し替えて、完成!
痛みのあるところを、香りも楽しみつつゆっくりとマッサージしてあげてみてください。
頑張りすぎて疲れた体を、優しく労わってくれますよ~!
ゼラニウム×カモミール<PMSやお腹のハリなど、生理前のトラブルに>
女性バランスを取ってくれるゼラニウムと、周期を整え鎮痛作用のあるカモミール・ローマン。
生理前のお腹のハリや痛み、腰痛、PMSが辛い時にはとってもおすすめなブレンドです。
女性ホルモンのバランスを整えてくれる効果が期待できるので、排卵日以降たまにマッサージしておくようにすると、生理前の体を楽にしてくれるサポートをしてくれます。
また、生理前にイライラする、感情の起伏が激しくなる・・・といった精神面の不調も整えてくれる効果も期待できます!
お腹や腰に痛みがある場合にはマッサージオイルもおすすめですが、のせておくだけで体を温められる温湿布も良いですよ!
~生理前の痛みに!女性バランスを整える温湿布~
材料:
ゼラニウム精油(2滴)、カモミール・ローマン精油(1滴)
- 洗面器にお湯をはって、お湯の中に精油を入れる
- 精油がお湯の中で浮くので、浮いた精油をすくいとるようにタオルをお湯につける(この時、タオルの端はお湯に浸けないようにしてください)
- タオルの端を持ってしっかり絞り、温湿布の出来上がり!
お腹のハリや痛みにはお腹の上に、腰の痛みには腰の上に直接タオルをのせて、冷めにくくするためラップを上からかけてください。
ラップの上からさらに乾いたタオルを置いておくと、保温力がさらにアップします。
タオルが冷めたら外すか、「もう少ししておきたいな~」という時には、もう一度温め直したものをのせてくださいね。
ネロリ×カモミール<ちょっと贅沢なフローラルブレンド!産後のリラックスケアにも>
ビターオレンジのお花から採れる精油、ネロリ。
爽やかさのある上品な優しい香りで、女性に人気があります。
(私も大好きです!)
そんなネロリとカモミールをブレンドすると、まるでお花畑で寝っ転がっているような・・・幸せでリラックスできる香りになります。
ネロリは高価な精油なため、日常使いはしづらいかもしれませんが・・・
ここぞ!と自分を労りたい時に是非使ってみてください。
特に出産後のケアにおすすめで、ネロリとカモミールの優しく甘い香りに包まれていると、産後の興奮をゆっくりと鎮めて落ち着きを早く取り戻させてくれます。
産後、お部屋全体に香らせてもOKなら芳香浴でも良いですし、ちょっと自分の周りだけ、という時にはアロマストーンやスプレーにして使ってみてくださいね。
※新生児が一緒のお部屋にいる時は避けて、大人しかいない時に使うようにしてください。
香りのものを使うのは周りの方の反応がちょっと気になるな・・・という方には、自分だけほんのり香りを楽しめるロールオンタイプがおすすめです!
こちらはネロリとカモミールに、ローズとラベンダーも贅沢にブレンドされています。
派手さはなく、誰にでも好かれそうな上品で優しいフローラルな香り。
出産前のプレゼントにも良さそうですね!
5.使う時の注意点
特に注意点は無いですが、香りが強めな点だけご注意ください。
例えば、「いつもシトラスやラベンダーを3~4滴使っている」というような方は、カモミール・ローマンを使う場合には最初1滴で香りの強さを確かめてみてください。
ブレンドする時も、他の精油よりも少な目を意識するとバランスが良くなります!
おわりに
カモミール・ローマン、いかがでしたか?
私が最初カモミールの精油の香りを嗅いでみた時、小さな可愛らしいお花を想像していたところ、予想と反して香りが強く主張してきて驚いたことを今でも覚えています(笑)
逆を言えば、少しの量でもしっかり香るということなのでコストパフォーマンスを考えれば有難い精油だな~と思っています。
アロマを始める最初の1本目でカモミール・ローマンを選ぶ方は少ないかな~と思いますが、
ラベンダーやオレンジなんかはすでに持っていて、主に夜のリラックスタイムでアロマを使っている・・・という方は、是非カモミール・ローマン試してみてください!
いつもの精油に1滴加えるだけで、お部屋をお花畑のような甘い香りに変えてくれますよ~!