今回ご紹介する精油は、ユーカリです!
ユーカリと聞くと、「オーストラリアで可愛いコアラがよく食べている葉っぱ」をイメージされる方も多いのではないでしょうか?
ユーカリの葉には毒性があるためコアラ以外の動物は食べられず、そしてコアラはユーカリの樹の上にいる時間が大半なので、
「コアラといえばユーカリ」というイメージの図式が成り立つわけです。
(コアラは特別にユーカリの毒素を解毒できる作用を持っているみたいですよ!)
そんなユーカリですが、精油になると人間にはどのような効果があるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう!
1.ユーカリってどんな精油?
学名 | Eucalyptus globulus |
植物名(和名) | ユーカリ、ユーカリプタス(ユーカリ、ユーカリノキ) |
科名 | フトモモ科 |
種類 | 高木 |
主な産地 | オーストラリア、ポルトガル、スペインなど |
抽出部位 | 葉 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
特徴的な化学成分 | 1,8-シネオール |
香りの特徴 | 樟脳のようなすっきりシャープな香り |
主な効能 | 呼吸器系強壮、殺菌、消毒、抗ウイルス、加温、防虫など |
ユーカリは約500もの種類がありますが、その中でも精油を生産するのは15種類のみ。
精油で「ユーカリ」として使われているものは、「ユーカリ・グロブルス」という種類が日本では一番メジャーなので、今回はグロブロスをご紹介いたします!
2.ユーカリ精油の効能
それでは、ユーカリが持っている様々な良い効能を見ていきましょう!
体に対する効能
ユーカリには様々な体への効能がありますが、一番有名なのは呼吸器系の感染症に良いこと。
炎症を緩和したり、粘膜系の症状を和らげてくれるため、呼吸器系の不快な症状がある時には是非使ってみてください。
咳、のどの痛み、喘息、気管支炎、鼻づまり、副鼻腔炎・・・といった「呼吸がしづらくて苦しい」という時にユーカリの香りを嗅ぐと、楽にしてくれますよ。
カタルや痰などの症状にもおすすめで、呼吸器系に溜まった粘液を排出してくれるサポートもしてくれます。
抗ウイルス・殺菌効果もあり、風邪ウイルスの増殖を防いでくれる働きもあるため、風邪をひきやすい方は予防として取り入れてみるのも良いですよ。
抗菌作用も持っており、膀胱炎や尿道炎といった泌尿器系の感染症にも効果を発揮しますし、抗真菌作用もあるため水虫のケアにも使えます。
また、「加温」と「乾燥」の働きもあるため、寒さや湿気で痛みが出るような関節炎や、リウマチ痛にもおすすめです。
心に対する効能
頭脳明晰や精神集中といった作用があるため、集中しなきゃいけないけど、なんだか落ち着かない・・・というような時におすすめなユーカリ。
思考をハッキリとさせてくれ、やるべき事に集中できるようになりますよ。
また、鼻づまりや咳といった呼吸器系の症状に良いユーカリですが、気持ちの面で胸の苦しさや、息苦しさを感じるときにもおすすめです。
胸の中に嫌なことや我慢を溜め込んでしまうような時に使うと、胸に抱え込んでいる気持ちをスーッと開放してくれるお手伝いをしてくれます。
肌に対する効能
殺菌・消毒作用があるため、傷の治療にも使われることもあります。
オーストラリアの原住民は、重い傷を負った時には傷の周りにユーカリの葉を巻いて治療していたそうですよ!
また、虫除けにも使えますし、虫刺されの痛みにも効果的なので、キャンプやアウトドアが好きな方は一つあると重宝しそうですね。
3.おすすめ楽しみ方3選!
芳香浴で香らせておくのも勿論良いですが、他のおすすめな使い方をご紹介します!
風邪予防、花粉症の時期など・・・是非日々の生活にユーカリ精油を取り入れてみてくださいね。
のどが痛い時や鼻づまりの時には、蒸気吸入!
鼻や口から蒸気と精油の芳香成分を一緒に吸入するので、呼吸器系の調子が悪い時に効果的な方法です。
風邪や花粉症で、鼻づまりがある時にもおすすめです。
※ただし、咳が出ている時や喘息の方は悪化する可能性もあるため、そのような症状がある場合には芳香浴の方がおすすめです。
吸入の仕方も特別な道具などは必要なく、とっても簡単。
- 洗面器に熱めのお湯をはって、ユーカリ精油を1~2滴おとす。
- お湯から約30センチほど顔を離したところでバスタオルをすっぽり被り、目を閉じて鼻と口から呼吸する。
もっと手軽にしたい場合は、マグカップにお湯を入れて、そこにユーカリ精油を1滴おとしてマグカップの蒸気を吸い込む方法も。
マグカップに入れた場合は、使い終わったものを誤って飲んでしまわないようにご注意ください。(笑)
また、蒸気吸入を長時間続けるのは負担がかかるので、長くても1分間くらいで終わらせるようにしてくださいね。
殺菌・抗菌作用を活かして沐浴に!
泌尿器系の感染症にも良いユーカリ。
膀胱炎や尿道炎の時には、是非お風呂で使ってみてください!
風邪やインフルエンザが流行る時期に使うと予防にもなるので、寒い時期には週に数回、ユーカリのお風呂に浸かっておくようにするのもおすすめです。
~ユーカリで殺菌!バスソルト~
材料:
天然塩(大さじ2)、ユーカリ精油(2滴)
天然塩に精油を混ぜて、お風呂に入れるだけでOK。
全身でユーカリの殺菌効果を感じることが出来ますよ~!
※ユーカリ精油には皮膚刺激があるため、敏感肌の方は精油の量を半分の1滴にして様子を見てみてくださいね。
呼吸しづらさ、胸のモヤモヤを感じる時に
鼻づまりなどで実際に呼吸しづらくなっている時にももちろん、精神的な息苦しさを感じる時にもおすすめなユーカリ精油。
特に、言いたいことが言えずにモヤモヤが胸に溜まっていく・・・というような方は、是非お試しください。
仕事に関することで職場の人に「あの人に出来ていないことを指摘しなきゃいけないけど、何だか言いづらい・・・」と感じるような時ってありますよね。
言いづらいけど、仕事だから言わないといけない・・・。
そんな時には、ユーカリのすっきりクリアな香りを嗅いでから行くと、きっと相手に上手に伝えられるサポートをしてくれますよ。
何よりそういう場面でユーカリの良いところが、「乾燥」の性質を持っているので、カラっとした気持ちにしてくれるところだと思います。
言いづらいことってなんだか遠回しにジワジワ伝えようとしてみたりするけれど、逆にサラッと簡潔に伝えた方が自分も相手も気持ちが楽ですよね。
陰湿な言い方にならないかな・・・と心配な方にもおすすめです。
ハンカチに1滴おとしておいて持ち歩くのも良いですし、スプレーやロールオンなどの手軽に使えるものを常備しておくのも良いですよ!
ユーカリが配合された、すっきり爽やかなハンドスプレー。
容量が30mlで軽く場所も取らないため、持ち運びやすいのも嬉しいポイントです。
4.ユーカリ精油のおすすめブレンド3選
すっきりクリアで、ハーバルな香りが特徴のユーカリ。
甘さのある香りとブレンドすると、ユーカリのスッとした香りを緩和してまろやかにしてくれますし、スッキリ系の香りとブレンドするとよりシャープでクリアな香りに。
お好みに合わせて様々な精油と合わせて香りの変化をお楽しみください!
オレンジ×ユーカリ<お子様と一緒に使う時におすすめ!>
風邪が流行る時期に頼りになるユーカリ、お子様にも使いたい!という方が多いのではないでしょうか。
ユーカリ独特なハーバルな香りは、大人は良くても子供には嫌がられることも・・・。
そんな時には、お子様ウケの良いシトラス系の精油とブレンドしてみてください!
特にオレンジと合わせてあげると、ユーカリのハーバルな香りがオレンジの甘い香りに包まれ、優しさのあるまろやかなブレンドになりますよ。
ブレンドの割合はお好みに合わせて調整して頂ければ良いのですが、
オレンジ多めの「オレンジ:ユーカリ=3:1」くらいだとオレンジの甘さがしっかりと感じられるのでおすすめです。
それでもユーカリの香りが苦手な場合は、5-2で紹介する「ユーカリ・ラディアータ」を使うともっと柔らかな香りになるのでお試しください。
ラベンダー×ユーカリ<空気をリフレッシュ!>
どちらの精油にも殺菌・消毒作用があるため、お部屋の空気をリフレッシュしたい時におすすめなブレンドです。
ユーカリのハーバルな香りと、ラベンダーの落ち着く香りとが合わさって、爽やかだけどなんだかリラックスできる香りになりますよ。
リラックスしたい時にはラベンダーを多めすると良いですし、逆に日中はユーカリを多めにして落ち着きすぎないようにしてあげても。
また、ラベンダーにもユーカリにも鎮痛作用があるので、頭痛や肩こりなど痛みがある場所へのマッサージにもおすすめです。
風邪の引き始めで頭が痛む、喉が痛い・・・なんて時には、痛みがあるところにマッサージで使ってみてください。
~ラベンダーとユーカリの鎮痛マッサージオイル~
材料:
キャリアオイル(15ml)、ラベンダー精油(2滴)、ユーカリ(1滴)
道具:
ビーカー、マドラー、遮光タイプの保存容器
- ビーカーにオイルを測って入れる
- 1に精油を入れ、混ぜる
- 保存容器に移して、完成!
肩こりの場合はお風呂上りにマッサージしてあげると、お風呂の温まり効果でよりほぐしてくれます。
仕事中によく頭痛がする・・・なんて方は、こめかみに少しオイルをつけてマッサージするのも良いですよ!
ペパーミント×ユーカリ<虫除けや鼻づまりに!>
すっきりシャープな香りのブレンドで、どちらにも虫除けに効果のある精油です。
爽快な香りは鼻づまりにも良いので、こちらのブレンドでスプレーを作っておくと、マスクスプレーにも虫除けスプレーにも使えちゃいます!
化学的な成分も入っていないので、できるだけ自然なものを使いたい方や、お子様の虫除けとして使うのもおすすめ。
~すっきり爽やか!虫除け&マスクスプレー~
材料:
無水エタノール(5ml)、精製水(25ml)、ペパーミント精油(2滴)、ユーカリ精油(4滴)
道具:
ビーカー、マドラー、スプレータイプの遮光保存容器
- ビーカーに無水エタノールを測って入れる
- 1に精油を入れて、混ぜる
- 2に精製水を入れて、保存容器に移し、よく振って完成!
どちらの精油も皮膚刺激があるため、マスクにスプレーする場合には、必ずマスクの外側にスプレーして10秒~20秒くらい経ってから付けてくださいね。
ただし、防腐剤などが入っていないため、作ってから約1週間程度で使い切るのがおすすめ。
ご家族で使ったり、虫除けで体に使うなら使い切れる量だと思いますが、
たまにマスクに使うくらいかも・・・という方は、記載の半分の量で作るなどして新鮮なものを使うようにしてくださいね。
5.ユーカリを使う時の注意点
様々な良い効能があるユーカリですが、使う場合に少しだけ注意が必要です。
注意点だけ守っていただいて、安心安全にユーカリをお楽しみください!
刺激性があること
心臓を刺激する作用があるため、高齢者や乳幼児、高血圧、妊婦の方などが使う場合には、次の5-2で紹介する、「ユーカリ・ラディアータ」の方が刺激が少なくおすすめです。
また、皮膚刺激もあるため、肌につける場合には必ず1%の濃度で希釈してから使うようにしてくださいね。
敏感肌の方は事前にパッチテストをしてみて、大丈夫そうなら使うようにしましょう。
ユーカリの種類
ユーカリ・グロブルス以外に、よく使われるユーカリ2種類をご紹介します。
ユーカリ・ラディアータ
グロブルスに比べて香りが柔らかいのが特徴です。
刺激が少ないため、スキンケアにユーカリを使いたい場合や、5-1で紹介した使う際に注意が必要な方にはラディアータの方がおすすめです。
- ユーカリ・ラディアータ
ユーカリ・シトリオドラ
「レモンユーカリ」という名前で販売されています。
その名の通り、ユーカリにレモンのフレッシュさを合わせたような香りが特徴的で、グロブルスよりも消毒作用が強いです。
呼吸器系の感染症で、黄色の分泌液が出るような粘液過多の症状緩和におすすめです。
爽やかさがある香りなので、「グロブロスの香りが苦手・・・」という方にも比較的受け入れやすい香りです。
- ユーカリ・シトリオドラ
おわりに
ユーカリ、いかがでしたか?
私はアロマを始めた当初からしばらくの間、ユーカリの香りってそこまで好きではなかったんですよね・・・
特にグロブルスが苦手で、レモンユーカリやラディアータの方が好きでした。
でも、一度風邪を引いて鼻や喉が辛かった時にユーカリ・グロブルスを嗅いでみると、「あれ?いつもより何だか甘くて良い香り!」と感じて、そこから苦手意識が無くなったんです。
逆に今ではグロブルスが一番好きになったほど(笑)。
本当に香りって不思議だなぁとつくづく感じます・・・。
体調や季節によって心地よく感じる香りって変わってくるので、皆様も直観を大切に香りを選んでみてくださいね!
- ユーカリ・グロブルス