「マザーズハーブ」とも言われ、あのクレオパトラも使っていたというジャーマンカモミール。
白と黄色の可愛らしい花の見た目からは想像もつかない、多岐にわたる効果をご紹介したいと思います。
1.ジャーマンカモミールとは
学名:Matricaria recutita
科名:キク科
別名:カミツレ、カモマイル
原産地:ヨーロッパ
分類:一年草
耐寒性:中
耐暑性:やや弱
1-1.ローマンカモミールとは全く違うもの!?
カモミールにはいくつか種類がありますが、その中でもポピュラーなのが、
ジャーマンカモミールとローマンカモミールです。
ローマンカモミールはジャーマンカモミールと比べると、花びらが大きく、花の真ん中が平たくなっている、多年草の植物です。
ジャーマンカモミールが花からしか香らないのに対し、ローマンカモミールは葉や茎からも香りが出ます。
その香りはジャーマンカモミールより甘く優しいので、ローマンカモミールの方が好き!という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、ローマンカモミールはお茶にすると苦くなってしまい、美味しいとは言い難いです。
香りだけではなく、様々な用途で楽しむならジャーマンカモミールがオススメです。
2.歴史
紀元前2000には、古代バビロニアで、薬用として使ており、古代エジプトでは太陽神に捧げられたと言われています。
日本には、江戸時代末期にポルトガルやオランダからもたらされました。
カモミールという名前は、古代ギリシャ語の「khamai(大地)」と「melo(リンゴ)」からきており、リンゴのようなその香りが由来になっています。
3.ジャーマンカモミールの効果・効能
鎮静、抗炎症、抗痙攣、発汗、消化促進、抗菌、殺菌、利尿、嘔吐予防
3-1.胃腸を整える
アズレン誘導体という物質が胃の粘膜を修復して丈夫にし、消化機能を正常な状態に整えてくれます。
絵本「ピーターラビット」でも、野菜を沢山食べ過ぎたピータにお母さんがカモミールティーを飲ませるシーンがあるんですよ。
水溶性アズレンとL-グルタミンを配合したものが「マーズレン」(寿製薬)、「グリマック」(沢井製薬)の名で消化性潰瘍、胃炎の治療薬として用いられています。
3-2.心身をリラックスさせる
「グッドナイトティー」としても有名で、カモミールティーに多く含まれるアピゲニンという成分が、興奮を押さえ、神経系の活動が鎮まり、リラックスしてよく眠れるようになります。
レモングラスやスペアミントと相性◯
3-3.婦人科系(生理痛や腹痛にも有用性がある!?)
ポリフェノールの一種であるアピゲニンという成分によって、脳内物質に作用し、体の中にある「平滑筋」という筋肉組織を落ち着かせる効果があるので、生理痛や腹痛といった痛みを和らげてくれるそうです。
3-4.ニキビ、アトピー、シミにも?
カマズレンと呼ばれる炎症作用や、かゆみを抑える成分が含まれており、昔からニキビやアトピー用の塗り薬等にも使用されています
メラニン生成を抑制し、シミ予防や日焼けした肌を改善する作用があります。
体を暖め、殺菌作用もあるので、風邪のひきはじめ、口内炎などにも効果的です。
3-5.使用方法 – 胃腸を整え、心身をリラックス –
- 花の部分を摘み取ります
- ざっと水洗いをして、キッチンペーパーで水気を取ります。
- ザルなどに広げ、2日ほど天日干しして乾燥させます。
- (※乾いたなと感じればOK)
- 密封容器に乾燥剤と一緒に保存。
- ティースプーン2杯を急須に入れ、熱湯を注ぎ、5分蒸らします。
寝る前に飲むと、安眠作用が期待できます。
時間がなくて、手取り早く飲みたい方はこんなアイテムもおすすめです!
すでに乾燥してあるジャーマンカモミール↓↓↓
- ジャーマンカモミール
福岡県産/無農薬
3-6.使用上の注意
- カモミール自体に問題があるわけではないのですが、花を摘む際に
肝毒性がある ピロリジジンアルカロイド を含んだ草が
紛れ込み、そのままお茶として売られている可能性があるので、妊婦中や、お子様の多飲はしないようにしましょう。(食品安全委員会参照) - キク科・ブタクサアレルギーのあるかたは要注意です。
4.精油について
学名:Matricaria recutita
科名:キク科
別名:カミツレ、カモマイル
原産地:フランス、イギリス、ドイツ、モロッコ、ハンガリー、エジプト
抽出方法:水蒸気蒸留法
抽出部位:花
ジャーマンカモミールの精油の色は濃い青色をしております。
これは、ジャーマンカモミールのみの特徴で、「カモミール・ブルー」「アズレンブルー」とも呼ばれ、
蒸留時に、抗炎症作用、抗ヒスタミン作用に非常に優れたカマズレンという成分が生成される事によって青くなります。
濃縮されたままの精油は薬草のような匂いですが、希釈するとフルーティーで甘い香りになります。
柑橘系や、ゼラニウム、ネロリ、ラベンダー、ローズ、イランイランなどの香りと相性がいいです。
4-1.ジャーマンカモミール精油の効能
4-1-1.心への効能
鎮静作用があり、心の不安、ストレスを取り除きリラックスさせてくれます。
沐浴法や芳香浴法で利用するのがオススメです。
- イライラして落ち着かない時に
- 落ち込んでいてネガティブな時に
- 緊張で心がこわばっている時に
- 上記理由で眠れない時に
オススメレシピ(全身浴法)
材料・・・
ジャーマンカモミール1~3滴
フランキンセンス1~2滴
利用方法・・・
お湯を張った浴槽に上記を垂らします。
よくかき混ぜてから入浴してください。
4-1-2.体への効能
昔から婦人科系へ作用させることで重宝してきた精油です。
沐浴法やトリートメント法がオススメです。
また前述したカモミールティーと同じように胃腸の調子を整えてくれますので
吸入法などで利用するのもオススメです。
- 月経痛の時に
- 月経不順の時に
- 月経前症候群の時に
オススメレシピ(トリートメント法)
材料・・・
ホホバオイル 20ml
ジャーマンカモミール精油 2~3滴
イランイラン精油 1滴
利用方法・・・
使用する部位に優しく塗布してください。
4-1-3.肌への効能
抗炎症作用や痒みを抑えるのに優れているので、
精油を植物オイルに溶かして使用するトリートメント法や
湿布法などでご利用するのがオススメです。
- アトピー性皮膚炎
- 乾燥肌
- ニキビ
- 肌の炎症
オススメレシピ(トリートメント法)
材料・・・
ホホバオイル 20ml
ジャーマンカモミール精油 2~3滴
ティーツリー精油 1滴
利用方法・・・
使用する部位に優しく塗布してください。
4-2.使用上の注意
精油は、天然だから安全というわけではありません。
精油を安全に使うためには、次の点に気を付けてください。
・本物の精油を使う
・劣化した精油を使わない
・適度な使用にとどめる
・飲まない
・目に入れない
・火気まわりでの取り扱いに注意
・妊産婦・高齢者・病気療養中の利用は専門家に相談してから使用する
・授乳中の方、乳幼児は少量から利用する
・利用前にパッチテストを行う
大切なのは、正確な知識を得ること。
以上の注意を守って適切な使い方をすれば、精油は心身の健康に役立ち、あなたの日々の暮らしに潤いと安らぎを与えてくれることでしょう。
※ジャーマンカモミールは妊娠初期の方は控えましょう
おわりに
遥か昔から薬効や美容効果を知られ、今日に至るまで花を咲かせ続けてきたカモミール。
踏みつけられるほどよく育つと言われており、中世のイギリスでは、謙虚さと忍耐の象徴とされていました。
花言葉は「逆境に負けない」です。
明日も、これから先の未来まで笑顔で頑張れるように、ジャーマンカモミールで今夜、癒されてみてはいかがでしょうか?
- 生活の木 有機 エッセンシャルオイル
カモミールジャーマン