こんにちは、暮らしと香りライターのきいろいナリーです。
夏は、海やアウトドアにお出かけするのが楽しくなって活動的になる季節ですが、
その反面、暑さでバテてしまい食欲がなくなってしまったり、逆に冷房で冷えすぎてしまったり…
悩みもつきません。
さて、今回は爽快感がたまらないハッカオイルについて紹介します!
ハッカと言えば、ハッカ飴でもおなじみ。
ここ数年は、涼感グッズに配合されていることもあり、ドラックストアや雑貨販売店などでも見かけるようになりました。
一緒にされがちなハッカとミントの違いや手軽に作れるルームスプレーの作り方などもお伝えしていきます!
1.ハッカオイルとは?
1-1.ハッカとミントの違いって?
「どっちも同じじゃない?」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、
ミントはハーブの仲間で、
・和ハッカ
・ペパーミント
・スペアミント
の3種類に大きく分けられます。
それぞれの「ミント」に特徴があり、使い分けされているんです。
3つの中でハッカと呼ばれるものは、
・和ハッカ(日本薄荷)
・ペパーミント(西洋ハッカ)
の2種類です。
スペアミントは、2種類のハッカと成分が異なります。
①和ハッカ
名前 | 和ハッカ |
学名 | Mentha arvensis(Mentha canadensis) |
科名 | シソ科ハッカ属 |
主な産地 | 主産地日本(主に北海道)、インド、ネパール、中国 |
抽出部位 | 全草 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
タイプ | ハーブ系 |
香りの強弱 | 強 |
ノート | トップノート |
主な成分 | ℓ-メントール、ℓ-メントン、イソメントン、ネオメントン、酢酸メンチル、リモネン、1,8-シネオール など |
和ハッカは、日本原産の植物です。
別名で、和ハッカ・和種薄荷・日本薄荷・ジャパニーズペパーミント・ジャパニーズミントなどとも呼ばれています。
なんと!
江戸時代には、近畿地方を中心に薬草として栽培されていたんです。
明治時代になるに連れ、北海道を中心に栽培され、1930年代には世界の生産量の70%を占めていました。
和ハッカは、3種類の中でメントールを最も多く含んでいます。
香りは、ペパーミントよりも甘みがあるところが特徴です。
スーッとした爽快感は、リフレッシュ効果が高いように思えますが、
実はメントールは神経・精神への鎮静作用があるとされ精神安定にも役立つと言われています。
和ハッカの香りは、イライラやショックなどを和らげたり、ストレスや疲労などで落ち込んだ気分をリフレッシュして気持ちを前向きにしたりする働きが期待できます。
また、胃腸の働きをサポートする成分でもあるメントール、そしてリモネンを含んでおり、
消化不良や胸焼け、吐き気などの軽減をはじめ、二日酔いや乗り物酔いの緩和にも役立つ言われています。
抗菌・抗真菌作用や血管を引き締める作用があるため、
風邪やインフルエンザの予防やケア・呼吸器系の不調緩和にも効果が期待できると言われています。
精油のオススメは、メントールを多く含んでいるため、肌やヘアケア用品、消臭効果のあるスプレーなどの使用がオススメです。
ただし、原液や高濃度で過剰に使用すると呼吸器や胃の粘膜を傷つける可能性もあると指摘されているので、長時間利用するのは控えましょう。
注意点
・妊娠・授乳中の方や乳幼児のご使用はお控えください。
・高血圧の方やてんかんの症状がある方はご使用に注意してください。
・皮膚への刺激が強いため使用量に注意してください。
・敏感肌の方は事前にパッチテストを行ってください。
・目の周りへの使用は避けてください。
・長時間の利用は控えましょう。
②ペパーミント
名前 | ペパーミント |
学名 | Mentha x piperita |
科名 | シソ科ハッカ属 |
主な産地 | イギリス、アメリカ、イタリア、オーストラリア など |
抽出部位 | 全草 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
タイプ | ハーブ系 |
香りの強弱 | 強 |
ノート | トップノート |
主な成分 | ℓ-メントール、メントン、イソメントン、1,8-シネオール、メントフラン、リモネン など |
別名で、セイヨウハッカ(西洋薄荷)・コショウハッカ(胡椒薄荷)などとも呼ばれています。
3種類の中で、2番目にメントールが多く含まれていますが、
実は、和ハッカよりも香りが鋭いんです!
和ハッカでもご紹介したメントールの作用に加えて、
鎮静と覚醒の両作用で心のバランスを整えてくれる可能性もあるため、
ストレスや神経疲労などで気持ちが落ち込んでしまっている時に元気や前向きさを取り戻す手助けとして取り入れられることもあります。
また、メントールは消化不良や胸焼け、吐き気などの軽減をはじめ、二日酔いや乗り物酔いの緩和にも役立つ言われています。
メントールは、抗菌・抗真菌作用や血管を引き締める作用があるため、風邪やインフルエンザの予防やケア・呼吸器系の不調緩和にも効果が期待できると言われています。
ただし、原液や高濃度で過剰に使用すると呼吸器や胃の粘膜を傷つける可能性もあると指摘されているので、長時間利用するのは控えましょう。
スッキリする風味から、一般的にはガムや歯磨き粉などの口周りのケア用品として、
またチョコレートやアイスクリームなどのフレーバーとしてもよく使われています。
精油のオススメは、芳香浴・アロマバス・マッサージ・スキンケア・ヘアケア・ハウスキーピング・防虫などです。
注意点
・妊娠・授乳中の方や乳幼児のご使用はお控えください。
・高血圧の方やてんかんの症状がある方はご使用に注意してください。
・皮膚への刺激が強いため使用量に注意してください。
・敏感肌の方は事前にパッチテストを行ってください。
・目の周りへの使用は避けてください。
③スペアミント
名前 | スペアミント |
学名 | Mentha spicata |
科名 | シソ科ハッカ属 |
主な産地 | アメリカ、スペイン、ハンガリー、ロシア など |
抽出部位 | 全草(もしくは葉と花の咲いた先端部分のみ) |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
タイプ | ハーブ系 |
香りの強弱 | 中~強め |
ノート | トップノート |
主な成分 | ℓ-カルボン、リモネン、ミルセン、1.8-シネオール、α-ピネン、メントール、メントン など |
別名で、ミドリハッカ(緑薄荷)・オランダハッカ・ガーデンミントなどとも呼ばれています。
スペアミントは、3種類の中でメントールが最も少なく、
その代わりに、カルボンとリモネンという成分が多く含まれています。
カルボンは、鎮静作用があると考えられおり、スペアミント精油はリラックス効果を高めストレス緩和してくれると言われています。
鎮静・鎮痛作用を持つとされているカルボンと胃腸機能のサポート効果があると言われているリモネンも含有されているため、
消化不良・下痢・食欲不振・吐き気など様々な胃腸トラブルの軽減に効果が期待されています。
また、乗り物酔いや二日酔いによる不快感の緩和や夏バテ時のサポートなどにも使われています。
スペアミントは、抗真菌性・抗菌性・抗ウイルス性もあると考えられているため風邪予防にも役立ってくれるでしょう。
全体的な作用は、ペパーミントよりも弱いと言われていますが、香り・作用ともに穏やかなのでペパーミントの爽快感が苦手な方や幼児がいるご家庭での使用にもオススメです。
一般的に、ハーブティーやモヒートなどのドリンクの味付けに使われたり、サラダや肉料理に添えられたりします。
精油のオススメとしては、芳香浴やマッサージ・スキンケア・ヘアケア・虫よけなどです。
注意点
・妊娠・授乳中の方や乳幼児のご使用はお控えください。
・高血圧の方やてんかんの症状がある方はご使用に注意してください。
・皮膚への刺激が強いため使用量に注意してください。
・敏感肌の方は事前にパッチテストを行ってください。
・目の周りへの使用は避けてください。
・使用量に注意してください。
高濃度で使用した場合、頭痛・めまい・吐き気などの原因となる可能性があります。
2.ハッカオイルの効果
2-1.なぜ暑さを感じるの?
ハッカオイルについて知る前に、私たちが暑さを感じる理由を押さえましょう!
そもそも、なぜ暑さを感じるのでしょうか?
冬でも、厚着をして出かけたら、屋内に入った途端汗をかいてしまったなんてこともご経験あるのではないでしょうか?
これは、人が体内で発生した熱を放散する機能を持っており、体内から放熱される熱よりも、
外部からの放射熱が多くなることで体温が上昇してしまい暑いと感じるからです。
熱を逃す機能があるおかげで、体温が上がりすぎないようになっています。
ところが、気温が高い夏は体内の熱の放散が進みません。
湿度も高い日が続くため、なかなか汗の蒸発が進まず熱が体にこもってしまうんです。
さらに、日射に当たったり、高温化したアスファルトなどに囲まれることで外部からの放射熱を受けてしまうためでもあります。
2-2.人はどうやって熱を逃しているの?
2-2-1.血流を増やす
前のトピックで、人は熱を放散する機能を持っているとお伝えしました。
これは、皮ふの近くに血液を多く流して冷やし、温度が高い体の中心に戻すことによって体温の上昇を防いでいるんです。
特に手や足の抹消部分は、暑いときには寒い時より血流量が100倍程度多くなるとも言われています。
冷えやすくする方法
①空気に逃がす
皮ふに直接当たる空気に熱を放散させることで、皮ふを冷やします。
扇風機やサーキュレーターなどで風速が強くなると放熱も大きくなります。
②冷たいモノに放熱する
アイスノンや保冷剤など、周囲のモノに皮ふを当てて熱を冷ますことで、熱が放散され冷えます。
モノの温度が皮ふ温より低いほど、冷やす効果が高くなります。
逆にまわりのモノの温度が皮ふ温より高いと皮ふが受ける熱が多くなります。
2-2-2.発汗する
空気や周囲のモノに放熱するだけでは足りない場合、
汗を出して熱を下げます。
発汗すると体内から水分が失われるので、水分をとる必要があります。
2-3.ハッカオイルで涼しく感じる理由
これ、実は錯覚しているだけのようです。
人体の神秘は本当に不思議で、暑くないのに暑く感じたり、涼しくないのに涼しく感じるのです。
私たちの体にはTPRという温度センサーがいくつかあって、メントールはそのうちの1つのTRPM8という温度センサーを刺激します。
これが、冷たい!とかひんやりする!という感覚で脳がキャッチし、涼しく感じるのです。
これは、メントールが含まれた制汗スプレーや汗拭きシートなどを使用したときも同じ状態になります。
2-4.ハッカを使うときの注意点
ハッカオイルを肌に塗ることで、清涼感・爽快感を得られるのですが、実際の体温は下がっておりません!
なので
①汗をかける場合はきちんと、汗をかいて体温を下げる
②夏場や炎天下は水分補給と塩分補給は行う
これをしっかり対策しないと夏バテ、熱中症などを起こすので気をつけてください!
3.オススメの商品
ボディスプレー
北海道の滝上町で育てられた和ハッカ精油配合のひんやり冷たいボディミストです。
清涼感が得やすい和ハッカと肌をひきしめ潤いを与えてくれる西洋ハッカも配合されているので、ほてった体やヘアミストとしても。
西洋ハッカの爽やかな香りにプラスして、虫が好まない香りの精油をブレンドした天然アロマスプレーです。
アウトドアや外へお出かけ前、お出かけ中にスプレーをおすすめします。
合成殺虫成分や合成化合物は不使用で、天然由来成分100%なので、敏感肌の方や生後6ヶ月の赤ちゃんからご使用いただけます。
シャツスプレー
北海道の北見市で育てられている、西洋ハッカ油配合の「ひんやりシャツシャワー」です。
衣類にシュっとスプレーするだけで、ひんやり気持ちいい冷涼感。
ワキや背中、エリ元など衣類の汗をかきやすい部分にスプレーをすると効果的です。
ルームスプレー
ディート・殺虫剤フリーでユーカリやティーツリーなど天然由来成分100%のルームスプレーです。
ハッカ特有のスッとする爽快感を感じられ、蒸し暑い日本の夏にはぴったりな香りです。
シトロネラやユーカリなど、虫が好まない香りとされる天然成分100%のルームスプレーです。
お家ではカーテンや布団など様々な場所に使うことができます。
そのほかにも、お子さまの服や帽子、アウトドアシーンではテントやハンモックなど広範囲に使うことができます。
4.涼しくなるレシピ
4-1.湯船に入れてサッパリと!
●材料●
ハッカ油 …1〜2滴(入れすぎると寒くなるので注意です!)
●使い方●
よくかき混ぜてから入浴しましょう!
4-2.ひんやりボディースプレー
●材料(1回分)
・ハッカ油(和ハッカ・西洋ハッカお好みの方)…1〜6滴
・無水エタノール…5ml
・精製水…25ml
●道具
・ビーカー(プラスチック製よりもガラス製の方が好ましいです。
濃い精油は、プラスチックの材質を溶かしてしまうこともあります。)
・かくはん棒(未使用の竹串や爪楊枝でも代用可)
・スプレーボトル(遮光のボトルでガラス製の方が好ましいです。)
・ラベル
●作り方
①ビーカーに無水エタノールを入れてから、精油を加えよく混ぜる。
②精製水を加えてさらに混ぜ、スプレーボトルに入れる。
●注意点
※冷暗所で保存し、2週間以内にご使用ください。
※ハッカ油は、食品用と芳香用の2種類あります。
※オススメの使い方のように香りを楽しむときはどちらでも良いですが、
食品に使うときは、必ず「食品添加物」「ハッカ香料」などと書いてあるものを選んでください。
和ハッカ
西洋ハッカ
5.精油の注意点
精油はどれでも安全というわけではありません。
各精油の注意点は精油ごとに書いていますが、精油を安全に使うためには次の点に気を付けて下さい!
・本物の精油(エッセンシャルオイル)を使う
→成分が、100%天然の精油であることを確かめてから使用しましょう。
・使用量を守りましょう!
・妊産婦・高齢者・病気療養中のご使用は専門家に相談してから使用して下さい。
・授乳中の方、乳幼児は少量から利用して下さい。
・利用前にパッチテストを行いましょう!
・劣化した精油を使わない
→酸化が進んで劣化した精油は、香りの質が低下するだけでなく、皮膚の炎症も引き起こす原因にもなります。
・目に入れたり、飲んだりしない
・火気まわりでの取り扱いに注意
おわりに
毎年、「例年よりも暑い」といわれていますが、一体どこまで暑くなるんだろう?と思います。
不快な暑さをハッカオイルを使って、少しでも涼しくなったら幸いです!
参考
・だるさ解消情報集~D長屋~『和ハッカ/コーンミント精油精油-植物の特徴・期待される効果効能とは?』