「アロマ」と聞くと、ラベンダーを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
アロマの代表格なラベンダー精油、なんと数千年もの遥か昔から多くの人に愛用されていて、古い歴史を持った精油なのです。
リラックスや不眠に良いことは有名ですが、遠い昔から現代までずーっと愛され続けているのには、もっと沢山の理由があるんです。
それでは、ラベンダーが持っている魅力について、詳しく見ていきましょう!
1.ラベンダーってどんな精油?
学名 | Lavandula angustifolia |
植物名(和名) | ラベンダー(ラベンダー) |
科名 | シソ科 |
種類 | 低木 |
主な産地 | フランス、イギリス、地中海沿岸地域 |
抽出部位 | 花 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
特徴的な化学成分 | 酢酸リナリル、リナロール |
香りの特徴 | フローラルな中に、少しグリーンを感じる香り |
主な効能 | 鎮静、鎮痙、鎮痛、殺菌、癒傷、抗うつ等 |
ラベンダーには様々な種類がありますが、アロマとして使われるものは「真正ラベンダー(イングリッシュラベンダー)」が最も一般的。
ラベンダーの語源は、ラテン語の「lavare」で、「洗う」という意味から来ています。
その語源の通り、ラべンダーには「消毒」や「浄化」といった作用があります。
古代ローマ人は、傷を消毒しするため、ラベンダーを沐浴に使っていたそうですよ。
(古代ローマの頃から使われていたなんて…驚きですよね。)
2.ラベンダーの効能
遥か昔から使われてきたラベンダーですが、現代人にとっても嬉しい効能がたくさんあるんです。
2-1.体に対する効能
自律神経のバランスを整えてくれる効果があるため、ストレスからくる体の不調全般に効果的。
不眠、動悸、頭痛など…ストレスが溜まったときに体に起きる症状を緩和してくれます。
また、ストレスや緊張が原因の消化器系の不調にも良く、吐き気がする時や、食欲不振になってしまった時にもおすすめ。
さらには鎮痛作用もあり、頭痛、片頭痛、生理痛といった痛みも緩和してくれます。
体の調子が悪い時に様々な効果が期待できる、お守りのような精油です。
2-2.心に対する効能
リラックス効果が高く、イライラや怒りといった感情を鎮めてくれることは有名ですが、それだけでは無いのがラベンダーの凄いところ。
「ラベンダーといえばリラックス!」と思われている人も多いですが、実は鎮静成分と同じくらい、バランス調整作用や活性作用も持ち合わせています。
そのため、気持ちが落ち込む、やる気が出ない…、そんな時に使うと暗い気持ちを取り払ってくれる効果も。
リラックスだけではなく、心のバランスを取ってくれるラベンダー。
気持ちが不安定になりがちな時には、ラベンダーの香りがサポートしてくれますよ。
2-3.肌に対する効能
細胞成長促進作用(皮膚細胞の成長を促進してくれる効果)があるため、スキンケア全般に良い精油ですが、殺菌作用があるので、特にニキビやオイリー肌のお手入れに向いています。
また、消毒作用も持っていて、「虫刺され」「軽い傷、火傷」といった症状の応急処置にも使えるので、1本あればオールマイティに活躍してくれます。
~ちょっとした小話~
20世紀の初め、フランスの化学者、ルネ・モーリス・ガットフォセが香料の研究中に大火傷を負った際、慌てて近くにあったラベンターのオイルに手を浸したところ、水膨れにならずに、数日で治癒してしまったそうです…!
恐るべしラベンダー!薬箱に入れておきたいくらい、日常あらゆる場面で使えそうですね。
3.おすすめ楽しみ方4選!
体にも心にも、たくさんの効果が期待できるラベンダー。
芳香浴だけに使うには勿体ないですよね。
日常で使いやすい方法をご紹介するので、是非生活の中に取り入れてみてください。
3-1.お風呂で全身癒される…♪ラベンダーのバスソルト
リラックスや不眠に良いので、やはりラベンダーは夜に使いたい方が多いのではないでしょうか。
芳香浴でお部屋に香らせるのも勿論おすすめですが、違った楽しみ方がしたい方には、お風呂での使用もおすすめです。
全身でラベンダーのリラックス効果を楽しむことが出来るので、体も心もとっても癒されますよ♪
~バスソルトの作り方~
天然塩(大さじ2)、ラベンダー精油(2滴程度)
1.天然塩に精油を混ぜる
2.浴槽に張ったお湯に、1を混ぜる。
たったこれだけで、いつものお風呂が贅沢なリラックスタイムに早変わり。
ラベンダーの良い香りに包まれたバスタイム、是非お試しください!
3-2.頭痛の時には、マッサージやアイマスク
4人に1人は頭痛持ち、と言われている現代。
休んだり寝込むほどではないものの、頭が痛いと仕事や家事にも集中出来ず、つらいですよね。
そんな時は、ラベンダーの鎮痛作用の力を借りてみませんか?
ラベンダーをブレンドしたオイルで頭皮やこめかみをマッサージしてあげると、痛みを和らげてくれる効果が期待できます。
個人的に、頭痛の時におすすめな使い方がもう一つあります。
ラベンダーを数滴おとしたホットタオルで、アイマスク。
3分くらい瞼の上に載せておくだけで、痛みを楽にしてくれることが多く、気分もリフレッシュできるのでおすすめです。
ラベンダーの香りに癒されるだけでなく、目の疲れもほどけるので、PCやスマホで目が疲れた時にも良いですよ♪
※目は粘膜なので、直接精油があたると危険です。直接肌が付かないところに精油を垂らしてくださいね。
3-3.防虫効果を活かして、クローゼットにも
ラベンダーの香りは、人間にとってはリラックスできて良い香りなんですが、虫にとっては大嫌い。
その防虫効果を活かして、衣類の保管にも使えちゃいます。
天然のラベンダーの優しい香りで衣類のケアができるので、市販の防虫剤の臭いが苦手な方も是非お試しください。
不器用かつ面倒くさがりな私でも簡単に作れたので、写真と共にご覧ください!
~クローゼット用サシェの作り方~
材料:重曹50g、ラベンダー精油10~20滴くらい(お好みで)
道具:お茶パックの袋(だしパックでもOK)、布、リボンか紐
1.重曹に精油を混ぜる
私はポリ袋に入れて作りましたが、お皿に重曹を入れてスプーンで混ぜる方法でも良いですよ。
2.重曹と精油を混ぜる
ポリ袋をモミモミして混ぜます。重曹がオイルを含んで、少ししっとりします。
3.お茶パックに入れる
このお茶パック、一応蓋が出来るような仕組みになっていましたが、こぼれ出てきそうだったので…この後蓋の部分をテープで止めておきました。
4.布でくるんでリボンや紐で結んで、完成!
完成したものをクローゼットに吊るすだけでOKです。
小さい巾着がお家にあったら、それに入れるとより簡単に出来上がります。
ラベンダーの防虫効果に加え、重曹には脱臭効果があるため、衣類の保管にとってもおすすめ。
衣装ケースやタンスには、コットンにラベンダー精油を垂らしたものを入れておくだけでも良いですよ。
3-4.軽い傷やニキビにはちょこっと塗り
精油は基本的に肌へ直塗りすることはNGですが、ラベンダーは刺激性が無いため、少量であれば皮膚に直接塗ることが出来ます。
殺菌や消毒作用があるので、「ニキビ」「虫刺され」「軽い傷や火傷」には、綿棒やコットンに1滴垂らしてちょんちょん、と付けてあげてみてください。
ただし、使いすぎるとかぶれてしまう可能性もあるので、そこだけ注意してくださいね。
4.ラベンダーのおすすめブレンド
ラベンダーはどんな精油とも基本的に相性は良いので、お好きな香りでどんどんブレンドを楽しんでみてください。
今回は効果の面を重視して、おすすめのブレンドをご紹介いたします。
4-1.カモミール×ラベンダー<不眠・安眠に!お子様にもおすすめ>
どちらも「眠り」にとっても良い精油なので、不眠や寝付きづらさに悩んでいる方には是非試していただきたいブレンドです。
神経系を鎮静させてくれるので、気持ちがざわざわして寝付きづらい時や、眠りたいのに頭で色々考えてしまって目が冴えてしまう…なんて時におすすめ。
気持ちをお休みモードへ切り替えて、ゆっくり眠りに入れる準備をしてくれますよ。
フローラルな香りのブレンドなので、もし甘すぎると感じる場合は、オレンジやベルガモットなどの柑橘系をプラスしてあげると甘さが緩和されます。
ラベンダーとカモミール、どちらも刺激性が無く安全性が高い精油のため、大人はもちろんお子様にも使いやすいブレンドです。
癇癪がひどい、寝る時間になっても全然落ち着かない、神経が過敏になっている…そんな時には、このブレンドをお部屋に香らせてみてください。
お子様の気持ちを優しく包み込んでくれ、落ち着くようサポートしてくれますよ。
※子供は大人より嗅覚が鋭いため、芳香浴の場合は普段よりも滴数を少なめにし、長時間の使用は控えるようにしてください。
また、3歳以上であれば、精油の濃度を低めにすればマッサージオイルとしても使えます。
3~5歳は0.3%(オイル30mlに対して精油2滴)
6~12歳は0.5%(オイル30mlに対して精油3滴)で作ってみてください。
触れ合うことで親子のコミュニケーションにもなりますし、何といってもマッサージされると自然と気持ちよくリラックスできますよね。
マッサージしている方もオイルの優しい香りに癒されるので、全然寝ないお子様にちょっとイライラしてしまう時には、穏やかに、優しい気持ちを取り戻すことが出来ますよ。
4-2.ベルガモット×ラベンダー<日中にもおすすめな、イライラ解消の香り>
イライラ、怒りっぽい、気持ちが落ち着かない…そんな時におすすめなのはベルガモットとのブレンド。
ベルガモットはイライラや興奮を落ち着かせてくれるので、鎮静作用のあるラベンダーと一緒に使うと、気持ちが優しく穏やかに。
また、爽やかさのあるベルガモットの香りにはリフレッシュ効果もあるため、お仕事の合間にも使いやすいです。
仕事中、イライラして怒りっぽくなってしまう…という方は、休憩がてらこの香りで気持ちを落ち着かせてあげると良いですよ。
大事な会議や商談の前などでガチガチに緊張してしまっているような時には、ほどよく緊張をほぐしてくれるので、
「リラックスし過ぎるのは困るけど、気持ちを落ち着かせたい。」
そんな時には是非使ってみてください。
職場で使うなら、ロールオンタイプが手軽に手首などにコロコロ出来て、使いやすくておすすめです。
このようなロールオンのボトルも売っているので、手作りでも簡単に作れますよ。
~手作りロールオンアロマの作り方(7ml容器の場合)~
材料:キャリアオイル6ml、ラベンダー精油2滴、ベルガモット精油4滴
ロールオン容器に精油を入れて、振って混ぜるだけで完成です。
冷暗所で保管して、1~2か月くらいを目安に使い切ってください。
肌に付ける場合、通常精油の濃度は1%(精油一滴0.05ml)にするのが原則ですが、手首などピンポイントに付ける場合は最大5%まで濃度を上げてもOK。
ただし、皮膚が敏感な方は最初1%か2%くらいで作ってみて、様子を見てみましょう。
容器や精油を揃えて作るのはちょっとハードルが高いな…という方は、市販のものをチェックしてみてください。
様々なブランドから販売されているので、きっとお気に入りの香りがありますよ。
ラベンダーとベルガモットが入っていて、おすすめなのはこちら。
ゼラニウムやオレンジなどもブレンドされているので、お花の甘さと柑橘のフレッシュさが合わさって、日中にも使いやすい癒しの香りです。
※ベルガモット精油は光毒性があるため、オイルを塗ってすぐ日光に当たると、シミやかぶれの原因になってしまいます。
室内にいる時や、手首の内側など日に当たらない部分に塗るようにしてください。
4-3.マージョラム×ラベンダー<肩こり、腰痛…つらい筋肉疲労に>
マージョラムもラベンダーも、鎮痛作用があるため痛みに良い精油。
加えてマージョラムには加温作用があり、血液の流れを良くしてくれる効果も。
デスクワークで肩こり、立ち仕事で腰痛、体をハードに動かして筋肉痛…などなど、筋肉疲労の時には、このブレンドでマッサージしてみてください。
硬くなった筋肉をゆるめて、優しくほぐしてくれますよ。
マージョラムにもラベンダーと同じくリラックス効果があるので、一日の終わりにお風呂やマッサージに使うと、心も体も癒されること間違いなしです。
~マッサージオイルの作り方~
材料:キャリアオイル(25ml)、ラベンダー(2滴)、マージョラム(3滴)
道具:ビーカー、マドラー、保管用遮光瓶
1.ビーカーにオイルを測って入れる
2.精油を入れて、混ぜる
3.保存容器に入れて、完成!
凝りにはやっぱりマッサージしてほぐしてあげるのがおすすめですが、自分をマッサージするのって意外と体力が必要…。
「マッサージする元気が無いけど、疲れた体をどうにかしたい!」という方は、このブレンドでバスソルトを作って、入浴するだけでも良いですよ。
生活のペースに合わせて、疲れている時には楽にできる方法でアロマを楽しみましょう♪
4-4.ペパーミント×ラベンダー<頭痛にはこれ!デオドラントにも>
頭痛に悩まされている人におすすめなブレンドです。
ラベンダーにもペパーミントにも鎮痛作用があるため、Wで痛みを抑えてくれます。
ペパーミントはスーッと頭を通り抜けていくような清涼感があり、頭痛も一緒にどこかへ飛ばしていってくれそうな香り。
そこにラベンダーを加えることで、爽やかな中に優しさが残る、絶妙なブレンドになります。
ペパーミントには冷却作用もあるので、頭に血が上ってイライラして頭痛がするような時にも、怒りの感情を鎮めて、冷静になれる手助けをしてくれますよ。
また、このブレンドは消臭作用も高いので、デオドラントスプレーにもおすすめ。
ペパーミントの冷却効果でクールダウンも出来るので、暑い夏場にうってつけのブレンドです!
~デオドラントスプレーの作り方~
材料:無水エタノール5ml、精製水45ml、ラベンダー8滴、ペパーミント2滴
道具:ビーカー、保管容器(遮光タイプがおすすめ)
1.無水エタノールに精油を混ぜる
2.精製水を加えて振って混ぜる
汗の臭いが気になるところにシュッと吹きかけるだけでOKです。
特にたくさん汗をかいた時には、吹きかけたところをハンカチやコットンなどで拭いてあげるとさらにスッキリしますよ。
ちなみに、ペパーミントって他の精油の香りを打ち消してしまうほど強い香りを持っているので、ペパーミントをだいぶ少な目にするくらいのブレンドの割合が丁度良いです。
ラベンダーと同じ滴数入れたとすると、ラベンダーの香りが全くしなくなるほどなので、そこだけ気を付けてくださいね。
5.ラベンダーを使う時の注意点
5-1.低血圧の方は時間帯に気を付けて
血圧降下作用があるため、低血圧の方がラベンダーを使うと、少し感覚が鈍くなったり、眠くなったりしてしまうことも。
低血圧の方は、日中の使用はなるべく控えて、自宅でゆっくり過ごす時に使いましょう。
5-2.使用量に注意!
リラックスしたい時、眠れない時に頼りになるラベンダーですが、鎮静成分だけではなく、活性成分も含まれています。
「しっかり寝たいから!」と、たくさん使いすぎると、逆に活性化モードになって寝付きづらくなってしまうことも…。
気持ちをリラックスさせたい時は1、2滴でも十分効果があるので、あまり欲張らないよう注意が必要です。(笑)
おわりに
いかがでしたか?
こんなに沢山の効能を持つラベンダー、ずっと昔からアロマの代表格である理由が分かりますよね。
私はアロマを始めたばかりの時は、正直ラベンダーの香りってそんなに好きではなかったんです。
ですが、ある日紙で指を軽く切ってしまった時、傷にラベンダーを少し付けたら、知らない間に傷を治してくれていたんです。
その時にラベンダーって凄い!と実感しました。
そこから段々と使う頻度が増えていき、頻繁に頭痛が起こっていた時期にはたくさん助けてもらい…
そんなこんなで、今ではもうラベンダーが無くてはならない存在になりました。
なので、もし今はラベンダーの香りにピンと来ないって方も、「たくさんの効能を持った頼れる精油」ということだけは覚えておいてもらえたら、と思います。
いつか必要になった時、きっとあなたの助けになってくれますよ♪