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ローズマリーの香りを知ろう ~心と体いきいきハーブ~

  • 2019年11月11日
  • 2020年5月18日
  • アロマ
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その昔、古代ギリシャ・ローマ時代。

学生たちは、当時から集中力をアップさせる力があると言われていた、ある植物の冠を頭に乗せて勉強していたそうです。

その植物とは、ローズマリー

今回は、ローズマリーの香りに秘められた驚くべきパワーについてご紹介します!

1.ローズマリーについて

ローズマリー、名前は聞いたことがあるけど、どんな植物だろう?
そんなあなたのために、まずはローズマリーの基礎的なことからご紹介します。

1-1.どんな植物?

ローズマリーは、地中海沿岸原産の、シソ科の植物です。

青~薄紫色の小さな花を付けます。波しぶきがついたような色と形の花が特徴です。

古くから民間薬として使われてきた植物で、種名のofficinalisはラテン語で「薬用の、薬効がある」という意味です。

精油として薬用やアロマで用いられるほか、肉の臭みをとり、
消化を促すハーブとしてフランス料理やイタリア料理には欠かせない存在であり、
世界中で親しまれている植物です。

1-2.ローズマリー3兄弟

植物は、育った土壌や気候・風土などの自然環境により、含有成分が大きく異なることがあります。

この概念を「ケモタイプ」と言います。

実はローズマリーにもケモタイプが存在し、アロマの世界では、主に以下の3種類に分けられています。

【ローズマリー3兄弟】

①ローズマリー・シオネール
すっきりと透明感のある香り。
比較的おだやかな作用で、呼吸器のケア、筋肉・関節痛の緩和、スキンケアなど広範囲に使いやすい

②ローズマリー・ベルベノン
やわらかでスッキリとした香り。
「ベルベノン」という粘液溶解作用が多く含まれており、呼吸器のケアに向く。価格はやや高め。

③ローズマリー・カンファー
シャープで力強い香りで、筋肉への働きかけが主な作用。
筋肉痛や神経痛のケアに向く。ほかの2種と比べると使用できるケースは少なめ。

それぞれの種類ごとに香りや作用が異なるので、精油を使う際は、目的に沿ったものをチョイスしてくださいね!

2.精油の特徴

ここでは、ローズマリー精油がもたらす心、体、肌への各作用についてご紹介します。

2-1.心への作用

ローズマリーのもっとも優れた特徴は、脳を活性化させ、集中力をアップさせる作用です。

中枢神経刺激のある香りが、脳に刺激を与え、頭をすっきりさせてエネルギーと集中力を引き出します

まさに、やる気スイッチを入れてくれる香りは、勉強部屋にもってこいのアロマです。

2-2.体への作用

古来より記憶力を高め、認知機能を改善する作用があるとされてきたローズマリー。

近年、その香りは脳の記憶を司る「海馬」をはじめとする脳の器官に刺激を与えることが研究で明らかになってきました。

以下の研究によると、軽度のアルツハイマー型認知症患者にアロマテラピーを施したところ、
認知機能の改善に最も有意な改善効果がみられたのはローズマリー・カンファー精油だったそうです。

においと嗅覚の最新研究/浦上克哉ら/日本耳鼻咽喉科学会会報/2019年

この記憶力や認知機能への作用のほか、粘液溶解作用による痰や鼻水の排出を助ける作用、筋肉疲労や神経痛の緩和、肝臓機能の強化などの作用もあります。

2-3.肌への作用

収れん作用や血行促進作用があり、特に老化肌やオイリー肌のケアに向きます。

ニキビ、傷、あかぎれなどに臨床の場で用いられることもあります。

また、フケや脱毛を予防する作用もあるので、ヘアケアにもおすすめです。

集中力記憶力アップをはじめとしたさまざまな作用を持つローズマリー。
さすが、古くから薬用として親しまれてきた植物ですね!

3.ローズマリー精油おすすめの使い方

ここでは、ローズマリーのさまざまな作用に着目した、おすすめの使い方をご紹介します。

3−1.ケース1 ~仕事や勉強に向けて集中力を高めたいとき~

集中力アップを助けてくれるローズマリーは、勉強やお仕事にもってこいの香りです。
デスクや勉強部屋で使いやすいよう、手軽に試せる方法をご紹介します。

3-1-1.いちばん手軽な取り入れ方

ディフューザーやアロマポットがなくても、精油で香りを楽しむことはできます。

ハンカチなどを使った含浸は、もっとも手軽な精油の取り入れ方法。
ハンカチやティッシュに精油を1~3滴を落としして、広がる香りを楽しみます。

香りを含ませたハンカチを塾や学校のお供にして、ここぞというときに香りを嗅ぐことで、やる気スイッチをオン!しましょう。

また、お手軽さと言えばマグカップを使った芳香浴もおすすめ。

お湯を入れたマグカップに、1~3滴精油を落とせば、たちのぼる湯気と一緒に香りを楽しむことができます。

周りの理解が得られるようであれば、職場のデスクで試してみてもよいでしょう。

3-1-2.ルームスプレー

勉強部屋でぜひ試していただきたいのが、ローズマリー精油入りのルームスプレーです。

勉強モードで集中したいときなどにサッとひと吹きすれば、頭と心の切り替えに役立ちます。

またレモンの精油にも集中力アップを促す作用があります。

「2−2.体への作用」でご紹介した研究論文によると、ローズマリーとレモンを組み合わせた場合、認知機能の改善効果がさらに上がったそうです!

お手元にある場合は、ぜひブレンドして試してみてくださいね。

【ルームスプレーの作り方】
材料:ローズマリー・シオネール精油10〜20滴(レモン精油を使う場合は、ローズマリー・シオネールとレモンを2:1の割合でブレンドしてください)、無水エタノール10ml、精製水90ml

道具:
ビーカー、かくはん棒、スプレーボトル

作り方:

①ビーカーに無水エタノールを入れ、精油を加えてよく混ぜる
②①に精製水を加えてよく混ぜる

※注意事項
・精油がよく混ざるよう、ご使用前によく振ってからスプレーしてください。
・直射日光を避け、10日間程度で使い切るようにしましょう。

3-2.ケース2~鼻づまりを緩和したいとき~

菌などによって鼻腔や副鼻腔内で炎症が起きると、鼻水や鼻づまりの症状が表れます。

悪化すると倦怠感などにつながる場合もあるので、鼻が詰まってきたと感じたら早めのケアを心がけましょう。

ここでは、温めて湿気を与える温湿布に、精油の働きをプラスしたケアをご紹介します。

【温湿布の作り方】
材料:ローズマリー精油1~3滴、熱めのお湯洗面器一杯分

道具:
洗面器、ハンドタオルまたはフェイスタオル

作り方:

①洗面器に熱めのお湯を入れ、精油を落として軽く混ぜる。
②タオルを短冊上に折り、両端を持って洗面器につけて絞る。

※注意事項
・目に近い場所なので、刺激を与えないよう鼻の上に置きましょう。
・鼻が通っているようであれば、同じ精油で蒸気吸入を行うのもおすすめです。
・やけどには十分注意してください。
・鼻の上に温湿布を置く時間は10分程度が目安です。

3-3.ケース3~薄毛が気になってきたとき~

薄毛は男性だけの悩みではありません。

女性でも、ストレス、出産や加齢などにより、髪の量や細さが気になっている方は、少なくないのでは。

そんな時に試していただきたいのが、スカルプケア・スプレー。

洗髪後やブラッシング後に頭皮にスプレーしてヘッドマッサージし、頭皮をいたわりましょう。

【スカルプスプレーの作り方】
材料:ローズマリー・ベルベノン精油3滴、オレンジスイート精油4滴、無水エタノール5ml、精製水45ml

道具:ビーカー、かくはん棒、スプレーボトル

作り方:
①ビーカーに無水エタノールを入れ、精油を加えてよく混ぜる
②①に精製水を加えてよく混ぜる

※注意事項
・使用前はよく振ってからご使用ください
・使用後は7~10日で使いきってきださい。

4.番外編 ~秘伝!ハンガリー王妃の水のレシピ~

ハンガリー王妃の水、別名ハンガリアンウォーターをご存じでしょうか?

14世紀のハンガリー王女・エリザベート11世は、とても美人でおしゃれや恋愛を楽しんでいました。

まさに人生を謳歌していた彼女でしたが、70歳を過ぎた頃から、美貌は衰え、手足の痛み(リウマチ・痛風など諸説あり)などから元気もなくなっていきました。。。

そんな彼女のために、ある修道士が彼女に送ったとされるのが、ハンガリー王妃の水です。

この水の正体とは、ローズマリーを主体に調合されたアルコール水だったそうです。

さっそく、この水を体に塗るなどして使い始めた王妃。

すると、美貌との体調がみるみる回復!

そしてなんと、70歳を超えていた王妃が隣国ポーランドの25歳の王子に求婚されたといわれています。

このエピソードから、ハンガリー王妃の水は、若返りの水と呼ばれるようになりました。

今回は特別に、ライターうりぼうが極秘入手した(笑)若返りの水の再現レシピを、ご紹介します。

【秘伝!王妃の水再現レシピ】
材料:ローズマリー・ベルベノン精油2滴、レモン1滴、ネロリ1滴、ローズマリー芳香蒸留水45ml、精製水50ml、グリセリン5ml

道具:
ビーカー、かくはん棒、保存容器

作り方:

①ビーカーにグリセリンを入れ、精油を加える
②かくはん棒でよく混ぜる
③保存容器に②と精製水をいれ、よく混ぜる。

実はこのエピソードについて正確な資料は残っていないそうですが、ローズマリーには優れた収れん作用があります。

王妃のエピソードをイメージしながらお肌のケアをすることで、王妃のように若返り効果が期待できるかもしれませんね!

★商品紹介★

 

5.使用上の注意

精油は、天然だから安全というわけではありません。

精油を安全に使うためには、次の点に気を付けてください。

・本物の精油を使う
・劣化した精油を使わない
・適度な使用にとどめる
・飲まない
・目に入れない
・火気まわりでの取り扱いに注意
・妊産婦・高齢者・病気療養中の利用は専門家に相談してから使用する
・授乳中の方、乳幼児は少量から利用する
・利用前にパッチテストを行う

大切なのは、正確な知識を得ること。

以上の注意を守って適切な使い方をすれば、精油は心身の健康に役立ち、あなたの日々の暮らしに潤いと安らぎを与えてくれることでしょう。

おわりに

集中力アップをはじめ、さまざまな作用を私たちにもたらしてくれるローズマリーの香りのご紹介、いかがでしたでしょうか。

古くから親しまれている植物にはそれなりの根拠があるのだと、ライター自身もローズマリーに敬意を表したくなりました。

本記事が、ローズマリーがもたらす豊かな作用について知るきっかけになれば、とってもうれしいです★

 

★本記事の参考文献はこちら★

幸せを呼び込むアロマテラピー事典/色映みほ/2018年/マイナビ出版

あたらしいアロマテラピー事典/木田順子/2018年/高橋書店

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