こんにちは!
暮らしと香りライターのきいろいナリーです。
夏は薄着になって、色々と活動したくなる季節ですが、
そんな時の悩みの1つがジットリベタつく肌ではないでしょうか?
そんな時に活躍するのが、キッチンスパイスとしてお馴染みのローズマリーです!
今回は、ベタつく肌のスキンケアに最適なローズマリー精油を紹介したいと思います!
1.ローズマリーとは?
1-1.どんな植物?
名前 | ローズマリー |
学名 | Rosemarinus officinalis |
科名 | シソ科 |
主な産地 | 地中海沿岸 |
抽出部位 | 全草(葉・花・茎) |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
タイプ | 樹木系 |
香りの強弱 | 中~強め |
ノート | トップ~ミドルノート |
主な成分 | 1,8-シネオール、α-ピネン、カンファー、ボルネオール、酢酸ボルニル、カンフェン など |
まず、ローズマリーとはどのような植物なのでしょうか?
学名のRosemarinusはラテン語で「海のしずく」を意味しています。
ヨーロッパでは、『記憶・思い出・追想』の象徴とされており、
現地の冠婚葬祭の儀式にはローズマリーが使われています。
花言葉は「あなたを忘れない」
一度香りを嗅いだら忘れられない香りではないでしょうか?
2.ローズマリー精油の種類と効果
2-1.精油の種類
実は、同じローズマリー精油でも生育環境や精油成分などの違いから3種類に分けらます。
種類の違いによって、オススメの使い方が異なります。
2-1-1.ローズマリー・シネオール
名前 | ローズマリー・シネオール |
学名 | Rosemarinus officinalis(ct.Cineol) |
科名 | シソ科 |
主な産地 | スペイン、モロッコ、チュニジア、フランス など |
抽出部位 | 全草(葉・花・茎) |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
タイプ | 樹木系 |
香りの強弱 | 中~強め |
ノート | トップ~ミドルノート |
主な成分 | 1,8-シネオール、カンファー、α-ピネン、カンフェン、β-ピネン、ボルネオール、β-カリオフィレン など |
呼吸器のケアや筋肉・関節痛の緩和など広範囲に使用できるタイプです。
集中力を高めて気分を改善する効果や痰を出しやすくする去痰効果、
抗炎症効果などがあるとされています。
1,8-シネオールには、皮膚刺激性もあると言われているため使用するときは注意してください。
オススメの使い方は、芳香浴やマッサージ、スキンケア・ヘアケア、ハウスキーピングです!
2-1-2.ローズマリー・カンファー
名前 | ローズマリー・カンファー |
学名 | Rosemarinus officinalis(ct.Camphora) |
科名 | シソ科 |
主な産地 | スペイン、クロアチア、フランス など |
抽出部位 | 全草(葉・花・茎) |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
タイプ | 樹木系 |
香りの強弱 | 中~強め |
ノート | トップ~ミドルノート |
主な成分 | カンファー(ボルネオン)、1,8-シネオール、α-ピネン、カンフェン、リモネン、ボルネオール、β-カリオフィレン、ベルベノン など |
心臓の鼓動を強めたり、筋肉痛や関節痛のケアに向いているとされている
カンファーという成分が多く含まれていタイプです。
集中力や記憶力の向上効果も期待できると考えられています。
しかし、カンファーには神経を刺激する作用もあるため使用には注意が必要です。
オススメの使い方は、芳香浴やマッサージ、消臭・防虫です!
2-1-3.ローズマリー・ベルベノン
名前 | ローズマリー・ベルベノン |
学名 | Rosemarinus officinalis(ct.Vervenone) |
科名 | シソ科 |
主な産地 | コルシカ島・フランス、モロッコ、スペイン、チュニジア など |
抽出部位 | 全草(葉・花・茎) |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
タイプ | 樹木系 |
香りの強弱 | 中~強め |
ノート | トップ~ミドルノート |
主な成分 | α-ピネン、ベルベノン、1,8-シネオール、カンファー、カンフェン、リモネン など |
肌の再生を促す効果や呼吸器のケアに向いているベルベノンが多いタイプです。
3種類ローズマリー精油の中で、最も皮膚刺激性が指摘されている1,8-シネオール含有量が低いと言われています。
オススメの使い方は、芳香浴やマッサージ、スキンケア・ヘアケア、ハウスキーピングです!
2-2.肌への効果
3種類の中で、ローズマリー・ベルベノンが最もスキンケアに適した精油と言われているので、理由を詳しく見ていきたいと思います!
ローズマリー・ベルベノンに多く含まれているベルベノンは、
できものや傷などが直った後に皮膚に残ってしまう瘢痕(はんこん)を改善したり、皮膚の組織を再生する作用が期待できたりするためです。
また、皮膚刺激性が指摘されている1,8-シネオール含有量が
他のローズマリー精油よりも低いためでもあります。
名前がローズマリー・ベルベノンと言うからには、ベルベノンが成分の中で最も多いと思いきや…それよりも多い成分があるんです!
それは、α-ピネンという成分で他のローズマリー精油の中で最も含有率が高いんです。
α-ピネンには、抗菌作用や皮脂分泌を調整する作用なども期待できるため脂性肌のケアやニキビケアにも役立ってくます。
皮脂分泌を適切に保つ働きが期待でき、皮膚の代謝・再生を促すことが期待できる成分なので、
フケや抜け毛の防止・発毛促進など頭皮や毛髪のケアにも効果的です。
2-3.その他の作用
精神的な作用
α-ピネンには、森林浴をしている時のリラックス効果とリフレッシュ効果が期待されています。
神経に対しての強壮作用を持つという説もあり、ストレスが多くお疲れな現代人のサポーターとしても注目されてます。
3種類の中で最も含有率が低い1,8-シネオールには、脳を刺激する作用があるとされているため、リラックスタイムや夜のバスタイムでの使用に適したオイルだという評価もあります。
身体的な作用
ベルベノンは、脂肪溶解や肝臓の機能をサポートする作用があると言われているケトン類という分類に分けられますが、
ケトン類が含まれている精油は刺激性や毒性を持つものもあるため、使用量を守りましょう。ベルベノンは、ケトン類の中では刺激性や毒性が低いと考えられています。
使用量を守って使用したいベルベノンですが、
肝機能調整や胆汁分泌促進作用など肝臓機能のサポートに優れた働きも期待されています。
また、α-ピネンには森林浴効果のほかに血流改善や胃液の分泌を促すことで食欲を高める効果などが期待されています。
また、抗菌・免疫力向上作用がある言われている成分のため、
血液循環を良くして体を温めることと合わせて風邪やインフルエンザ予防にも効果があるとされています。
また、カンファーには心臓強壮(鼓動を強める)作用があることも認められており、
低血圧の軽減や脳への血流を増やすことで記憶力を高めるなどの効果も期待されています。
これら2つの成分のの働きにより、血液循環を促し低血圧や血行不良性の冷え性・肩こり・腰痛などの軽減に繋がるとされています。
ローズマリー・ベルベノンの精油には循環器系に対して刺激作用を持つ可能性があるとされているカンファーと
血液循環を整えてくれるα-ピネンも含まれているので、合わせて代謝促進やデトックスにも効果が期待されています。
2-4.注意点
2-4-1.ローズマリー精油の注意点
・妊娠中・授乳中の方、乳幼児への使用は避けましょう。
・高血圧・てんかん症状がある方は使用を避けましょう。
・肝臓機能をサポートする作用があるため、肝臓疾患や持病のある方は医師に相談してから使用してください。
・芳香浴の場合でも、高濃度で使用すると肌へ刺激を与える場合があります。
2-4-2.精油全体の注意点
精油はどれでも安全というわけではありません。
各精油の注意点は精油ごとに書いていますが、精油を安全に使うためには次の点に気を付けて下さい!
・本物の精油(エッセンシャルオイル)を使う
→成分が、100%天然の精油であることを確かめてから使用しましょう。
・使用量を守りましょう!
・妊産婦・高齢者・病気療養中のご使用は専門家に相談してから使用して下さい。
・授乳中の方、乳幼児は少量から利用して下さい。
・利用前にパッチテストを行いましょう!
・劣化した精油を使わない
→酸化が進んで劣化した精油は、香りの質が低下するだけでなく、皮膚の炎症も引き起こす原因にもなります。
・目に入れたり、飲んだりしない
・火気まわりでの取り扱いに注意
3.脂性肌に相性がいいスキンケアレシピ
3-1.毛穴を引きしめる化粧水
材料
・ローズマリー・ベルベノン精油… 2滴
・フランキンセンス精油… 1滴
・精製水… 95ml
・グリセリン… 5ml
道具
・ビーカー(プラスチック製よりもガラス製の方が好ましいです。
濃い精油は、プラスチックの材質を溶かしてしまうこともあります。)
・かくはん棒(未使用の竹串や爪楊枝でも代用可)
・ガラス製保存容器(精油を薄めた液体を入れるのであれば、プラスチック製のものでも可)
・ラベル
作り方
①ビーカーにグリセリンを入れ精油を加える。
②かくはん棒でよくかき混ぜる。
③保存容器に②と精製水を入れ、よく振って混ぜる。
使い方
コットンなどにたっぷりと化粧水を含ませて、肌がヒンヤリするまで丁寧にパッティングしてください。
注意点
※冷蔵庫に入れ、7~10日で使い切ってください。
3-2.クレイパック
材料
・ローズマリー・ベルベノン精油… 1滴
・クレイ… 大さじ3杯
・精製水… 適量
道具
・計量スプーン
・ボール(混ぜ合わせられる容器)
・ヘラ
作り方
①ボールにクレイを入れ、精製水を少しずつ加えながら柔らかくなるまでヘラで混ぜ合わせる。
②精油を加えて、さらに良く混ぜる。
使い方
目と口の周りを避けて厚めに塗り、パックの端が乾きはじめたら
水かぬるま湯で優しく洗い流してください。
注意点
※保存せずに使い切ってください。
おわりに
今回はローズマリー精油について紹介しました。
同じ植物でも育った環境や含有されている成分によって、期待できる効果が異なるなんて驚きました。
夏のベタつく肌をローズマリー精油で改善してサラッと乗り越えましょう!
参照
・フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 ローズマリー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%BC
・だるさ解消情報集~D長屋~
【アロマ】ローズマリー・ベルベノン精油-植物の特徴・期待される効果効能とは?
https://d-nagaya.com/aroma/post-931/