「今日も1日疲れたな…。」家に帰ってきたとたん、ソファでグッタリ。
日々お疲れのあなたに、ぜひ試してほしいアロマがあります。
それはズバリ、ベルガモット!
ベルガモットは、感情のバランスを取り、心に寄り添うような安心感を与えてくれる香りが特徴です。
今回はそんなベルガモットについて、詳しくご紹介します。
1.ベルガモット精油について
名前 | ベルガモット |
学名 | Citrus Bergamia |
科名 | ミカン科 |
主な産地 | イタリア南部 |
抽出部位 | 果皮 |
抽出方法 | 圧搾法・水蒸気蒸留法 |
タイプ | 柑橘系 |
香りの強弱 | 弱め~中 |
ノート | トップノート |
主な成分 | リモネン・酢酸リナリル・リナロール・γ-テルピネン・β-ピネン・ゲラニアール・ベルガプテン など |
ベルガモットってなぁに?そんなあなたにために、まずはベルガモットの基本的な情報からご紹介します。
1-1.どんな植物?
ベルガモットはイタリア南部原産のミカン科の植物。
もともとはレモンとスイートライムの交配種といわれており、小さなオレンジのような果実をつけます。
同じ「ベルガモット」の名を持つタイマツバナ(シソ科)と呼ばれるハーブがありますが、葉の香りがこの果実の香りに似ていることからその名がついたそうです。
1-2.香りの特徴
柑橘系の精油のなかでは、甘みが印象に残る香りです。
オレンジやレモンより、ラベンダーに近い爽やかさと甘さがあります。
甘さと爽やかさのバランスが良いので、柑橘系の中でも特に人気があります。
体を大きく包み込むソファのような、あるいはゆったりと横たわれるベッドのような安心感と落ち着きをもたらしてくれるイメージの香りです。
1-3.主な用途
多くの精油と相性が良いとされているベルガモットは、幅広い用途に使われています。
アロマオイルのほか、オーデコロンの原料、食品の香りづけなどに利用されていますが、とくに有名なのがアールグレイの紅茶。
日本でも人気のアールグレイの香りづけには、このベルガモットが使われているんです。
ちなみにこの紅茶の名前の由来はイギリスのグレイ伯爵の名前にちなんでいるそうですよ。
2.ベルガモット精油の作用
ベルガモットの香りには、次のような作用があります。
2-1.心への作用
ベルガモット精油に含有されている、リモネンと酢酸リナリル、リナロールには鎮静作用があり心にトラブルを抱えている人によく使われています。
ストレスや緊張によって興奮状態にある脳や神経を鎮めて、イライラや不安などを和らげ気分を落ち着かせる働きが期待されています。
また、リモネンには、精神的・身体的に多くの効果があるとされています。
交感神経を刺激して落ち込んだ気持ちを明るく活性化させてくれる働きや
脳のα波を増加させる働きもあり、リラックス状態をサポートしてくれる精油と知られており、弱っている心に寄り添い、やわらかな光を当てるようなリフレッシュ作用があります。
2-2.体への作用
リモネンには、健胃作用や消化促進、整腸など胃腸機能サポートに役立つ作用(消化を助け、食欲を増進させる)があると言われております。
抗菌作用もあるため泌尿器の感染症(膀胱炎、尿道炎)にも用いられています。
また、うっ滞除去作用や鎮痛作用もあるため、むくみ解消や痛風のケア、気管支系の痛みを和らげる効果もあります。
ベルガモットを使ったケアとして、消化器系の不調には芳香浴が効果的です。
2-3.肌への作用
皮脂を分解して落とす働きもあることから、脂性肌性ニキビや頭皮・頭髪の油っぽさが気になる方のケアにも活用されています。
酢酸リナリルやリナロールにも鎮静・鎮痛作用のほかに、抗炎症作用が期待されており、
ニキビや湿疹などの肌トラブルの予防にも使われています。
しかし、ベルガモットには、光毒性があるため注意が必要です(以下参照)。
肌に使うときは、光毒性のある成分を取り除いたタイプを選ぶと良いでしょう。
※光毒性とは?
皮膚についた状態で紫外線に当たると炎症などを引き起こす性質のこと。
ミカン科やセリ蚊の精油に多い。
圧搾法の抽出は光毒性が高いですが、水蒸気蒸留法の抽出は光毒性が低いです。
3.とっておきの香りのレシピ紹介
甘さと爽やかさのバランスが良く、さまざまな精油と相性が良いベルガモット。
香りの組み合わせは無限大ですが、今回はおすすめのブレンドレシピを5つご紹介します!
なお、以下でご紹介するレシピは、アロマランプやディフューザー、マグカップにお湯を注いでお手軽に芳香浴をするほか、直接香りを手に取って香りを嗅いでも構いません。ご自身にあった方法で試してみてくださいね。
3-1.レシピその1 ~オフィスで気分をスッキリしたいときに~
ベルガモット3滴 + ラベンダー1滴 + ペパーミント1滴 = 吹き抜ける東風の香り
ペパーミントの清涼感は、滅入った気分を転換するのに効果的です。
強い香りなので、1滴でも十分に清涼感が漂います。
ラベンダーとベルガモットで少しだけとがった香りの角をとれば、スッとする清涼感が一層引き立ちます。
仕事中、煮詰まった頭をリフレッシュさせたい時などにオススメのレシピです。なお、オフィスで香りを楽しみたいときは、アロマオイルをティッシュにドロップし、直接嗅ぐのが一番手軽です。
ティッシュはデスクにおいても、引き出しに入れても良いでしょう。しばらく香りが持続します。
3-2.レシピその2 ~体臭が気になるときに~
ベルガモット精油3滴 + ユーカリ精油3滴 + ラベンダー精油3滴 =草原の風の香り
ユーカリの清涼感に酸味と甘みを足して、刺激の少ない爽やかさをイメージしました。
このレシピでは、アロマオイルをオーデコロンのように使うことをご提案します。
その場合は、無水エタノール10mlで希釈してお使いください。
使い方は、気になったときに手首やひじの内側にシュッとスプレーするだけ。
香水ほど気負わない香りなので、男性の体臭対策としてもおすすめです。
少し香りを抑えたいときは、各精油の量を2滴にしてみてください。
※ご使用の際は、光毒性が除去されたベルガモット精油を使ってください。
3-3.レシピその3 ~自分のために香りを楽しみたいときに~
ベルガモット6滴 + イランイラン3滴 = さわやかさと優しさを併せ持つ男の香り
イランイランの香りは数多くの有名香水に使われています。
単独でも香水として通用するバランスの良さがありますが、少し甘さが強めです。
そこで、柑橘系のベルガモットでアクセントを付けることで、さわやかさと優しさを併せ持つ香りになります。
ぜひ男性に試してほしい香りです。
3-2.のようにオーデコロンとして使うことで、市販の香水にはない個性を演出しましょう。
その場合は、無水エタノール10mlで希釈をお忘れなく。
※ご使用の際は、光毒性が除去されたベルガモット精油を使ってください。
3-4.レシピその4 ~緊張感をリセットしたいときに~
ベルガモット1滴 + サンダルウッド1滴 + ジュニパー1滴 = 静寂の時間の香り
サンダルウッドの精油は、神経を研ぎ澄まさないと感じないほどかすかな甘さで、樹木系の深い香りが全面に立ちます。
お寺を連想させ心を穏やかにしますが、香りが地味なのでラベンダーとベルガモットで馴染みやすさを出しました。
一日の終わりのリラックスタイムに、神経の高ぶりをリセットするのに役立ってくれるレシピです。
ティッシュなどにドロップして直接嗅いでも良いですが、アロマランプやマグカップで芳香浴をするのもおすすめです。
3-5.レシピその5 ~イライラが治まらないときに~
ベルガモット2滴 + マージョラム1滴 + カモミール(ローマン)1滴 = 甘いなぐさめの香り
マージョラムの清涼感にベルガモットの柑橘系を加え、香りをまとめるためのカモミールを隠し味にしました。
心にこもった怒りのパワーが、甘い香りで落ち着いてくるはず。甘い香りがお好みなら、カモミール(ローマン)を2滴にしてもOK。
日々の生活で、どうしても怒りが治まらないときってありますよね。
そんな時は、香りを味方につけて心を落ち着けましょう。
マグカップに精油を落としてお湯を注げば、手軽に芳香浴ができます。
イライラして周りに当たってしまう前に、ぜひお試しを!
★おすすめのベルガモット精油★
- (社)アロマ環境協会表示基準適合認定精油。安心できる品質です。※光毒性成分が除去された商品ではありません。
- 生活の木 エッセンシャルオイル
ベルガモット10ml
4.使用上の注意
精油は、天然だから安全というわけではありません。
精油を安全に使うためには、次の点に気を付けてください。
・本物の精油を使う
・劣化した精油を使わない
・適度な使用にとどめる
・飲まない
・目に入れない
・火気まわりでの取り扱いに注意
・妊産婦・高齢者・病気療養中の利用は専門家に相談してから使用する
・授乳中の方、乳幼児は少量から利用する
・利用前にパッチテストを行う
これらの注意のほか、ベルガモットに関しては2-3.肌への作用でご紹介した光毒性についても十分注意してください。
大切なのは、正確な知識を得ること。
以上の注意を守って適切な使い方をすれば、精油は心身の健康に役立ち、あなたの日々の暮らしに潤いと安らぎを与えてくれることでしょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
様々な精油と相性が良く、あらゆるシーンで私たちの味方になってくれるベルガモットは、まさにアロマ界のオールラウンダー。
ご紹介したように、ティッシュに精油を落とすだけで香りを楽しむことができるので、まずは手軽な方法で試してみてくださいね。
疲れた時はベルガモットの力を借りて、心の元気を養いましょう★
★本記事の参考文献はこちら★
ビジネスマンのためのアロマテラピー/郡司隆/2007年/BABジャパン